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GビズIDを使いこなして行政サービスへのアクセスを効率化!

記事作成日2021/02/05 最終更新日2022/04/18

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2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されました。そこで注目を集めているのが一つのID、パスワードで、複数の行政サービスへアクセスできる認証システム「GビズID」です。
今回は「GビズID」のイロハを解説したいと思います。

今後、行政手続きは電子申請が主流に

現在、行政サービスを始めとするさまざまな申請を、インターネット上で行う流れが加速しています。
これは行政手続に要する事業者の作業時間などの行政手続コスト削減が目的です。2020年4月から、特定の法人において社会保険、労働保険に関する一部の手続きは電子申請で行うことが義務化されています。

※特定の法人とは
●資本金、出資金又は銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額が1億円を超える法人
●相互会社(保険業法)
●投資法人(投資信託及び投資法人に関する法律)
●特定目的会社(資産の流動化に関する法律)

※電子申請が義務化される手続き

電子申請が義務化される手続き

GビズID とは?一体何ができるのか?

電子申請の義務化の流れもあり注目されているのが「GビズID」です。「GビズID」とは一つのアカウントを取得することで、複数の行政サービスにアクセスすることができる経済産業省の運営する認証プラットホームです。

従来の行政手続きは、申請や届け出方法が異なっており、手続きにはそれぞれにIDやパスワードが必要でした。「GビズID」は、これらの管理コストや申請にかかる時間コストを削減する目的でスタートしたシステムです。
GビズIDとは何か

電子申請には複数のメリットがあります。まず、24時間365日、いつでも申請が可能です。

役所の空いている平日の日中に時間が取れない人にとっては大変助かります。役所に行っても長時間待たされるということもありません。職場や事務所、自宅からでも申請が可能になります。また、移動にかかる交通費や書類の発送にかかる郵送費などのコストもカットできます。
GビズIDのメリットとは

2021年3月の段階で、以下のサービスが利用可能です。

●補助金申請システム「jGrants 」
https://jgrants.go.jp

●「社会保険手続きの電子申請」
https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/e-gov2.html

●産業保安・製品安全分野の一部手続きができる「保安ネット」
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/hoan-net/

●「農林水産省共通申請サービス」
https://e.maff.go.jp

●中小企業向け補助金、支援サイト「ミラサポplus」
https://mirasapo-plus.go.jp

●省エネ取組に有用となる情報を提供する「省エネ法定期報告書情報提供システム」
https://shoene-opendata.meti.go.jp

●「鉱業原簿登録更新サイト」
https://www.kougyougenbotouroku.meti.go.jp/genbo/jsf/j/WJ0001.xhtml

●「経営力向上計画申請プラットフォーム」
https://www.keieiryoku.go.jp/

●「IT導入補助金2020」
https://www.it-hojo.jp/

●「情報処理支援機関【スマートSMEサポーター】認定制度」
https://smartsme.go.jp/

●「認定経営革新等支援機関電子申請システム」
https://www.ninteishien.go.jp/

●食品リコール情報の公開、営業許可申請・届出ができる「食品衛生申請等システム」
https://ifas.mhlw.go.jp/faspte/

●「DX推進ポータル」
https://dx-portal.ipa.go.jp/

●海外渡航者新型コロナウイルス検査センター「TeCOT」
https://www.meti.go.jp/policy/investment/tecot/top.html

●「e-Gov」※ID連携など一部機能のみ
https://www.e-gov.go.jp/

●栃木県地域企業感染症対策支援補助金総合サイト
https://www.tochigi-kansentaisaku.com/

●事業継続力強化計画電子申請システム
https://www.keizokuryoku.go.jp/

●Gビズフォーム
https://form.gbiz.go.jp

※注 GビズIDのアカウントの種類によっては上記サービスが利用出来ないケースがあります。

それぞれのサービスを担当する省庁は経済産業省、厚生労働省、中小企業庁、資源エネルギー庁など多岐にわたり、省庁横断で取り組まれています。政府は「デジタルファースト」を掲げており、対象の行政サービスは今後拡大する方針です。

gBizIDは省庁横断し利便性が向上

e-Gov電子申請との違い

同じ電子申請システムにe-Gov電子申請があります。このe-Gov電子申請は総務省(Gビズは経済産業省)が管轄している電子申請システムで、GビズIDと比較した場合、e-Govの方が電子申請を行える範囲が広いため多くの法人で活用されています。

一方のGビズIDは2020年4月から開始されたサービスです。まだまだ利用可能なサービスは多くありませんが、今後拡大することが期待されています。

利用者が選べる3種類の「GビズID」

「GビズID」は利用者の都合に合わせて3種類のアカウントが用意されています。

●「gBizIDエントリー」
パソコンとメールアドレスさえあれば取得可能なアカウントで、即日作成が可能です。書類審査が不要な点はメリットですが、「jGrants」や「社会保険手続きの電子申請」など一部の行政サービスが利用できません。

●「gBizIDプライム」
「gBizIDプライム」は、スマートフォン(または携帯電話)、印鑑証明書、登録印、パソコンがあれば登録することが可能な法人代表者もしくは個人事業主のためのアカウントです。登録内容に不備がなければ、申請から2週間程度で登録できます。

●「gBizIDメンバー」
「gBizIDプライム」の登録者が従業員用として用意できるアカウントです。法人の場合、同じ法人番号の組織に属する人のみアカウントを取得できます。利用できる行政サービスは「gBizIDプライム」が許可したものに限ります。
3つのgBizID

3種類のどのアカウントも現在は無料で取得することが可能です。ちなみに「gBizIDエントリー」と「gBizIDプライム」のアカウントを同時に取得すことはできません。アカウントの利用期間は定められていませんが、今後は期間が定められる予定です。

なお、いずれのアカウントにおいても作成するためにはアカウントIDに利用するためeメールアドレスが必要となります。

GビズIDの申請については、gBizIDプライムを利用する場合、事前に前項でご紹介した申請が必要になります。申請後は書類に間違いなど不備がない場合、2週間以内に審査が行われアカウントが作成される事になっています。ただし、申し込み状況によってはそれ以上の期間を要する可能性もあります。

例えば、2021年3月26日に公募が開始され、注目を集めている「事業再構築補助金」の申請には、GビズID「プライム」のアカウントが必要になります。

似た事例は今後も増加するかもしれませんし、アカウント作成が間に合わず申請ができないというのは避けたい事態です。申請手続きを迅速に進めるためにもぜひお早めに取得することをお勧めいたします。

こちらもおすすめ

今後さらに加速する電子申請のサポートはTOMAにおまかせください!

前項でも説明した通り、現状では「GビズID」で可能な電子申請の幅は広いとは言えません。電子証明書を必要としない電子申請ができると言っても、社会保険・労働保険の手続き全てが「GビズID」でできるわけではないからです。

TOMAでは、「GビズID」に対応していない社会保険・労働保険の手続きも含めて100種類以上の手続きを、e-gov電子申請を利用して行うことが可能です。
初回相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。