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社会保険の適用拡大~要件と企業への影響

記事作成日2016/05/06 最終更新日2021/01/13

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パートタイマー等の社会保険の適用範囲が拡大されます

平成28年10月に厚生年金保険法等が改正され、短時間労働者(パートタイマー等)の社会保険の適用範囲が拡大されます。

【新たに社会保険の適用となる労働者及び企業の基準】 ※学生適用は除外

しかしながら、上記は経過措置であり、平成31年9月30日までに改めて基準等の検討が行われる予定となっています。企業規模や賃金等の基準が見直された場合、更に適用範囲が拡大されることが想定されます。

なお、企業における所定労働時間週20~30時間の短時間労働者の割合は、平均10%のため、従業員数が501人以上の場合、最低でも年間で約740万円の社会保険料(事業主負担)の増加となります。

法改正による企業への影響

法改正により、社会保険の加入状況等が適正であるかについて年金事務所が調査を行うことも考えられます。例えばパートタイマーのうち社会保険未加入者が30名(月給平均10万円)の場合、社会保険料は月額約42万円となりますが、行政からこれらの未加入者を社会保険に加入させるよう指導を受けた場合、加入の時効は2年のため、約1,000万円(約42万円×24ヶ月)の社会保険料の支払いが新たに必要となるなど、経営に与えるインパクトは計り知れません。

社会保険の適用範囲拡大に向けての対策

社会保険の適用範囲が拡大することにより、企業はパートタイマーの雇用管理をこれまで以上に厳格に行うことが必要です。社会保険調査で指導を受けないよう適正に加入させるか、適正な雇用管理により適用拡大要件に該当しないようにする必要があります。

【雇用行動に関する調査(2013年厚生労働省)、上位順に】

No.1(32.6%)   適用拡大要件にできるだけ該当しないよう、所定労働時間を短くし、その分より多くの短時間労働者を雇用
No.2(30.5%)   短時間労働者の人材を厳選し、一人ひとりにもっと長時働いてもらい雇用数を抑制
No.3(24.3%)   適用拡大要件にできるだけ該当しないよう、賃金設定や年収水準を見直し

アウトソーシングの有効活用を

適用拡大に伴い、対象企業では社会保険の手続き機会の増大、対象企業でない場合でも、対象企業に勤めている配偶者の社保適用により扶養から外す手続きや、給与計算の税額計算の設定変更で事務手続きが繁雑になることが予想されます。

効率的な雇用管理のため、この機会にアウトソーシングの検討をしてみてはいかがでしょうか。
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