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決算書の分析(流動比率の分析)

記事作成日2017/06/14 最終更新日2020/07/02

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医療機関の経営者は、患者さんや地域住民の方が、永続的に利用できる医療機関として
存続できるよう、医療の実施だけでなく、経営問題にも取り組む必要がございます。
その際、活用して頂きたいのが、病医院の「決算書」です。

貸借対照表に関する分析指標としていくつかありますが、今回は「流動比率」という指標のポイントをご説明いたします。

貸借対照表は、資産、負債、純資産から構成され、病医院の一定時点の財政状態を示します。
次に、貸借対照表の資産の部と負債の部を見ると、「流動資産」「固定資産」、「流動負債」「固定負債」に区分されます。
基本的に1年以内に入金または支払があるものは「流動」、1年を超えても入金、支払がないものは「固定」に区分されます。
但し、正常営業循環基準という会計の考え方により、通常の営業取引で発生する棚卸資産(医薬品、診療材料等)、医業未収入金、買掛金等は、1年を超えるものであっても「流動」に区分されます。

「流動比率」は「流動資産÷流動負債×100」という算式で計算され、1年以内に支払う負債に対する、1年以内に入金される流動資産の割合を分析することで、短期の支払能力がわかる、病医院の資金繰り上重要な指標となります。
流動比率の理想的な数値は一般的に200%とされていますが、以下の場合、資金繰りが厳しい可能性があります。

・「流動資産<流動負債」の場合
→考えられる原因として多額の設備投資資金を短期借入金で調達

・「流動資産>流動負債」の状況だが流動資産に占める現金預金の割合が少ない場合
→考えられる原因として、窓口収入分や自費収入の回収を疎かにして医業未収入金が大幅増加しているケースや、特に院内処方をしている病医院で、医薬品や診療材料の在庫管理を疎かにして棚卸資産が必要以上に増加しているケース

以上、病医院の先生も自院の決算書を見て流動比率を分析してみてはいかがでしょうか。
不明な点や不安な点がありましたら、お気軽にTOMAにご相談ください。

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