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新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業について

記事作成日2020/07/08 最終更新日2020/09/15

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6月12日に第2次補正予算案が国会で可決、成立しました。この第2次補正予算案の中に医療従事者らを対象とした慰労金交付事業が盛り込まれています。

現時点で決定している、慰労金の給付対象や条件、給付額などをご紹介したいと思います。

 

概要

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業とは、新型コロナウイルス感染症への感染リスクと厳しい環境下で心身に負担がかかる中、強い使命感を持って、感染拡大防止・収束に尽力している医療機関の医療従事者や職員の方々へ慰労金を非課税所得として給付するというものです。

給付される慰労金の受給権は、譲り渡しや差し押さえができず、給付を受けた金銭についても差し押さえることができません。すなわち、この慰労金は必ず医療従事者ら個人の元に給付されるものです。

前提となる条件

①当該都道府県内で1例目の新型コロナウイルス感染症の患者が判明するか、緊急事態宣言の対象区域となってから、6月末までに10日以上勤務した職員であること。

1日当たりの勤務時間に関する規定は特にありません。また、有給休暇や育児休暇の期間は勤務日に換算できません。複数の施設で勤務している場合でも、支給は1人1回に限ります。

②「患者との接触を伴い」かつ「継続して提供することが必要な業務」に携わっていること。これに合致する場合は、派遣労働者や委託業者の職員も支給の対象となります。

※ただし、薬局については調剤など医療に不可欠な役割を担うものですが、患者に直接処置や治療を行う医療機関の医療従事者らとは性質が異なるため、今回の慰労金の対象とはされていません。

給付対象・給付金額

厚生労働省は慰労金を新型コロナウイルス感染症患者に直接対応したスタッフ以外にも広範の給付を予定しており、計約310万人の医療従事者らへの給付を見込んでいると発表しています。給付額は医療従事者らの状況によって大きく3つに分けられます。

◆都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し患者と接する医療従事者や職員で、

 ①実際に新型コロナウイルス感染症患者の診療等を行った医療機関である場合 …20万円

 ②上記以外の場合 …10万円

  例)新型コロナウイルス感染症患者を受け入れて以降、勤務をしていない等

◆その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所に勤務し患者と接する医療従事者や職員

 ③5万円

※その他病院等で実際に新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた場合は20万円の給付となります。

厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000645600.pdf)より

申請方法

申請方法は、医療従事者らが勤務先の医療機関等に代理受領を委任し、医療機関等が対象者を取りまとめ各都道府県の国民健康保険団体連合会(都道府県の事務委託)に申請することを想定しています。また、原則オンラインにて申請を行うことが想定されおり、具体的な申請の方法は現在、調整中です。

また、医療機関等は所属している職員だけでなく、パートや派遣労働者、委託業者の職員等もまとめて申請することになります。既に退職された方も原則として勤務されていた医療機関等を通じての申請となります。困難な場合は、勤務証明等の書類を揃えた上で都道府県に直接申請することとなります。

医療機関等は、あらかじめ慰労金の給付対象者の整理をしておくことで申請が円滑に進められると思います。

申請の時期は、現在オンライン申請ができるように調整中のため未定ですが、厚生労働省は7月1日に、8月下旬にも給付が始まると明らかにしました。

厚生労働省のホームページでは、本稿で取り上げた慰労金についてさらなる詳細やQ&Aが記載されています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098580_00001.html

より詳しい情報をお求めの場合は、TOMAまでお問い合わせください。

https://toma.co.jp/service/hieiri/hospital/

7月17日更新

厚生労働省のホームページが更新されました。

正式な受給手続については、都道府県からの発表待ちとなりますが、

申請書フォーマット等が例示されています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000648970.pdf

8月3日更新

下記ページで、申請書フォーマットの説明を更新しております。

新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業について②