医療機関並びに薬局等の皆様におかれましては、これまで様々な新型コロナウイルスの感染拡大防止のための施策・対応をされてきたことと存じます。
本稿では、厚生労働省より発表されております感染拡大防止等支援事業について解説いたします。
補助額
感染拡大防止等支援事業は、医療機関や薬局等内において新型コロナウイルス感染の疑いがある患者とその他の患者が混在しないための取り組みに要する費用の補助となります。
なお、補助上限額は以下の通りです。
- 病院(医科、歯科) 200万円+5万円×病床数
- 有床診療所(医科、歯科) 200万円
- 無床診療所(医科、歯科) 100万円
- 薬局、訪問看護ステーション、助産所 70万円
取り組みと、対象となる費用について
人件費以外の幅広い費用が対象
先述の、新型コロナウイルス感染の疑いがある患者とその他の患者が混在しないための取り組みについては、次のようなものが挙げられています。
また、対象となる費用は人件費を除く感染拡大防止対策や、診療体制確保等に要する費用となります。
例として、清掃委託、洗濯委託、検査委託、寝具リース、感染性廃棄物処理、個人防護具の購入等、幅広く対象となっております。
費用の対象期間
令和2年4月1日から令和3年3月31日までにかかる経費が対象となっております。
また、申請日以降に発生が見込まれる費用も合わせて、概算で申請することを可能としています。概算で申請した場合、事後に実績報告が必要となります。この場合、概算で交付した額が交付すべき確定額を上回るときは、その上回る額を返還しなくてはなりません。例として次のようになります。
<返還が必要な場合の例 令和2年7月31日に100万円を申請する場合>
申請額100万円の内訳
・令和2年4月1日から7月31日に発生した額:30万円
・令和2年8月1日から令和3年3月31日に発生が見込まれる概算額:70万円
実績報告 令和2年8月1日から令和3年3月31日に実際に発生した額:65万円
この場合は、概算額70万円のうち発生額65万円を上回る5万円について返還にすることとなります。
なお、実績報告のために領収書等の証拠書類を保管しておくことが必要です。
また、申請は1回のみで、対象期間中での複数回の申請は出来ません。概算で申請する場合は、どのような費用が今後必要になるのか、可能な限り具体的に挙げた上で申請することをお勧めします。
対象施設
対象となる施設は、先述の補助額の項目でも挙げましたが、病院(医科、歯科)、有床診療所(医科、歯科)、無床診療所(医科、歯科)、薬局、訪問看護ステーション、助産所となります。新型コロナウイルスの患者の受入対応等をしていなくても対象となります。
ただし、保険医療機関でない施設は対象外ですのでご注意ください。
また、病院の場合は補助上限額が200万円+5万円×病床数になります。こちらの病床数の上限はありません。原則として令和2年4月1日時点の許可病床数となりますが、増床などがある場合は「申請を行う日」の許可病床数を用いることとなります。なお、対象となる病床は一般病床以外にも、療養病床、感染症病床、結核病床が含まれます。
申請について
申請については7月1日時点で準備中となっておりますが、申請の受付は各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)で、申請の方法はオンラインによることが想定されています。
本稿で取り上げました感染拡大防止等支援事業については、厚生労働省のホームページにさらなる詳細が記載されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kansenkakudaiboushi_shien.html
また、厚生労働省から発表されているもの以外にも、地方自治体(都道府県や市区町村など)が独自で行っている施策もありますので、ホームページ等での情報の収集・把握をお勧めします。
より詳しい情報をお求めの場合は、TOMAまでお問い合わせください。