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医師の交際費について

記事作成日2018/08/13 最終更新日2020/05/27

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税務調査で、医院で計上している医師の交際費について否認されるケースがあります。医師でも、医院を経営している以上は、開業している地域の医師や医局の先生方、製薬会社のMR など、事業上のお付き合いがあるかと思いますが、お中元やお歳暮、ゴルフに係る交際費は、税務上どの程度認められるものなのでしょうか。今回は税務上認められる交際費の考え方について、ご説明いたします。

◆所得税法上の交際費の考え方

所得税法では、事業所得の金額の必要経費について所得税法37 条にて「これらの所得の総収入金額に係る売上原価、その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額」だけではなく、「その年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額」も経費にすると規定しています。
そのため、所得税法では、医院を経営していく上で必要なお中元やお歳暮について経費にしないとは規定していません。またゴルフについても、医院を経営していく上で必要でしたら経費にすることができます。判例でも、「ある支出が業務の遂行上、必要なものであれば、その業務と関連するものというべきである」として、必要経費にすることを認めています。

◆交際費の判断基準

交際費に該当するかどうかは、(1) 支出の目的(交際費、接待費、機密費その他の費用)、(2)支出の相手先(得意先、仕入先その他事業に関係のある者に対して)、(3)行為の形態(接待、供応、慰安、贈答その他これに類する行為)の3 要素で判断します。
支出の相手先には、次のようなものが考えられます。
1. 患者、連携関係のある大学病院、病医院、薬局、出入り業者などのような直接的な取引関係者
2. 出身大学、医師会関係者などのような間接的な利害関係者
3. 勤務医、看護士、職員、事業専従者等のように病医院内部の利害関係者

また判例では、「支出の目的が接待等のためであるか否かについては、当該支出の動機、金額、態様、効果等の具体的事情を総合に判断して決すべきである」とし、「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為であれば、それ以上に支出金額が高額なものであることや、その支出が不必要あるいは過大なものであることが必要とされるものではない」としています。


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