顧問税理士は記帳のサポートや税務相談、コンサルティングなどの業務に携わる企業経営者の強い味方です。しかし、新たに税理士との顧問契約を締結するにあたって、一体どれくらいの費用がかかるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、税理士の報酬相場や安い税理士と高い税理士との違い、費用を安く抑えるコツを詳しく解説します。顧問税理士へ支払っている報酬に不満がある方、少しでも費用を抑えたい方は、ぜひご一読ください。
目次
顧問税理士にかかる費用|報酬相場はあてになる?
税理士に何らかの仕事を依頼する場合、当然ながら報酬を支払う必要があります。契約形態や依頼内容によって価格は変動しますので、どのようにして費用がかかるかあらかじめ把握しておきたいところです。
顧問料は契約内容によって変わるため相場では判断しにくく、契約締結前に認識合わせが必要。
税理士との顧問契約を締結する場合、顧問料は依頼する税理士事務所の規模や打ち合わせのための訪問回数、依頼主となる企業の規模などによって大きく変動します。そのため、費用がいくらかかるのかは一概に説明できません。
そして、記帳代行、給与計算、年末調整といった業務は、顧問契約のオプションとして提供されているケースが多いため、別途オプション料を用意しなければなりません。
つまり、毎月の顧問料にオプション料を追加した金額が、顧問税理士に支払う報酬となります。なお、顧問契約の内容は税理士事務所によって異なるため、契約範囲内でどこまで対応してくれるのか事前に確認することも大切です。
顧問契約に含まれる業務以外は一切請けない事務所もあれば、相談次第で請け負ってくれる事務所もあります。
無用なトラブルを避けるためにも、契約締結前にお互いの認識を合わせておきましょう。
決算申告報酬の相場は、顧問料の約4~6ヵ月分
税理士にかかってくる大きな費用としては、先述した顧問料(月額)のほかに決算申告報酬があります。これは決算申告業務を依頼する際に発生する費用であり、一般的な相場は顧問料の約4~6ヵ月分です。
その他の業務もスポット契約で依頼できますが、顧問契約と比べると対応範囲は限られているケースがほとんどです。ニーズや状況に合わせて、自社に合ったプランを選択することが重要といえるでしょう。
法人規模別で税理士報酬は変わる
税理士に支払う報酬は、依頼主となる企業の年間売上によって変動することも特徴です。基本的に年間売上が増えれば増えるほど、取引件数や納税額も増えるので、より多くの業務を依頼することになります。
税理士側は業務量が増える関係上、どうしても人件費がかかるため、それに比例して報酬も高く設定する必要があるのです。また、税理士事務所によっては従業員数や所得金額など、年間売上以外のデータも踏まえて報酬を提示しているケースもあります。
【税理士費用】安い税理士と高い税理士の違いとは?
先述のとおり、税理士の報酬はさまざまな要因で大きく上下します。安価で依頼できるに越したことはありませんが、価格が安すぎると逆に不安を感じてしまう方も多いでしょう。そこで、安い税理士と高い税理士では何が違うのか、特徴や注意点をそれぞれ解説します。
低価格の税理士の特徴
月額顧問料を低価格で顧問契約を結べる税理士も存在しています。低価格税理士のおもな特徴は、以下のとおりです。
・小規模の税理士事務所や個人事務所などに所属している
・税金計算のみ対応など、業務範囲を絞ることで低価格を実現している
・日々発生する税金まわりの相談などは、積極的に受けない傾向にある
税理士は必ずしも「安かろう悪かろう」ではないので、低価格でも安心して仕事を任せられる税理士は数多く見受けられます。しかし、価格が相場より安い分、手厚いサービスが期待できないケースも多いため、契約締結にあたって注意が必要です。
ただし、下記の条件に当てはまる企業については、リーズナブルに依頼できる低価格税理士との契約をおすすめします。
・創業して間もない企業であり、お金の出入りがあまり発生していない
・従業員をまだ雇っていない
・クラウドツールなどを活用することで、大方の会計業務は間に合っている
各事務所のホームページがあれば実績やプロフィールなどをチェックした上で、信頼性の高い税理士に依頼しましょう。
高価格の税理士の特徴
低価格の税理士が存在する一方で、相場よりも費用感がかなり高い税理士も存在しています。高価格税理士のおもな特徴は、以下のとおりです。
・大手税理士事務所に所属している
・大企業の複雑かつ作業量の多い業務をおもに担当している
・企業経営や会計業務に役立つ手厚いサービスが受けられる
・企業を成長拡大させるための相談など、経営面にも積極的に関わる傾向にある
低価格税理士と比べると、幅広い業務範囲やサービス面の充実ぶりが強みです。高価格税理士ならではのサービスとしては、キャッシュフローや利益率をまとめた「月次決算書」の作成、税理士が定期的に訪問してアドバイスを行なう「巡回サービス」などが挙げられます。
ただし、税理士も「報酬が高ければ高いほど優秀」というわけではないため、その点には注意が必要です。
「とりあえず大手事務所の税理士に任せれば大丈夫」「高額の顧問料を支払っているから安心」と思って詳細を確認せず、必要以上に高い報酬を払い続けている経営者も少なくありません。
低価格の税理士にも当てはまることですが、大事なのは価格に見合った対価を得られるかどうかです。サービス内容や対応力などは、経営者自身の目でしっかり確かめる必要があります。
顧問税理士の費用を抑えるコツ
経営者の立場からすれば、顧問税理士にかかる費用はできるだけ抑えたいところです。そこで最後に、顧問税理士の費用を抑えるコツを紹介します。
税理士の費用を詳細まで見直し、あらためて交渉する
税理士に支払う費用が高いと感じる場合、顧問料や決算報告報酬を引き下げることができるか、直接交渉するのも一案です。しかし、単に「高いから値下げしてほしい」とだけ伝えても、先方から断られる可能性が高いので、正当な理由を提示しなければなりません。
前述のとおり、税理士に対する報酬は企業規模(年間売上)などによって決まります。つまり、売上などが何らかの要因で変化すれば、税理士の報酬設定にも調整の余地が出てくるということです。
例えば、社会情勢の影響で年間売上が大きく下がった場合、「経営状況の悪化」という正当な理由があるため、値下げ交渉は妥当といえます。もちろん、交渉が必ず成立するとは限りませんが、税理士側から無下に断られる可能性は低いでしょう。
また、税理士の訪問回数や打ち合わせ回数を減らす、不要なオプションを解約するなど、業務範囲や契約内容を調整することでも値下げ交渉は可能です。それにともない、税理士に任せていた業務を自社で行なうことを検討すると良いでしょう。
以下に、具体的な方法を5つ紹介します。それぞれの方法について説明します。
1.勘定科目を少なくする
勘定科目を少なくすることは、会計処理をシンプルにし、税理士の作業負担を軽減する方法の一つです。勘定科目が多いと、それだけ取引の分類や仕訳が複雑になり、税理士の確認作業が増えてしまいます。
これにより、税理士の作業時間が増加し、その結果、顧問料も高くなる可能性があります。勘定科目を統一・整理し、不要な科目を削減することで、経理処理の効率化を図り、税理士の負担を軽減することができます。
2.取引をシンプルにする
取引をシンプルにすることも、税理士の作業負担を減らす効果的な方法です。複雑な取引が多いと、それだけ仕訳や会計処理が煩雑になり、税理士の確認作業が増えます。
取引の流れを簡素化し、可能な限り標準的な取引方法を採用することで、税理士の作業時間を短縮することができます。
3.口座を最小限にする
会社が保有する銀行口座を最小限にすることも、税理士の費用を抑えるための有効な手段です。複数の口座を持つと、各口座の管理や取引明細の確認作業が増え、税理士の作業時間が長くなります。
できるだけ少ない口座に集約し、取引を一元化することで、口座管理の手間を減らし、税理士の作業効率を向上させることができます。
4.掛取引の入金確認を自社で行う
掛取引の入金確認を自社で行うことにより、税理士の業務負担を軽減できます。掛取引は入金確認が必要であり、その確認作業を税理士に任せると、税理士の作業時間が増加し、その分費用も高くなります。
自社で入金確認を行うことで、税理士に依頼する業務範囲を縮小し、費用を抑えることができます。自社で確認作業を行うためには、定期的な入金確認のルーチンを確立し、担当者を明確にすることが重要です。
5.業務の標準化を行う
業務の標準化は、経理処理の効率化と税理士の費用削減に大いに貢献します。標準化された業務プロセスは、誰でも同じ手順で作業を行うことができ、ミスの発生を防ぎます。また、標準化された資料やデータを提供することで、税理士が迅速かつ正確に作業を行うことができます。
例えば、定型化されたフォーマットの使用、作業手順書の作成などが挙げられます。これにより、税理士の作業時間を短縮し、費用を抑えることが可能になります。
特に、記帳や税務書類の作成はそれほど難しい作業ではないため、基礎知識と手順を押さえれば、自社でも対応可能です。
以上の方法を実践することで、顧問税理士の費用を効果的に抑えることができます。それぞれの方法には具体的な工夫が必要ですが、経理処理の効率化と標準化を図ることで、会社全体の経営効率も向上させることができます。
税理士とのコミュニケーションを密にし、協力しながら進めることが成功の鍵となります。
ただし、取引件数や従業員数によってはかなりの手間がかかるため、業務の優先度や人的リソースを考慮しながら、対応可否を検討しましょう。
税理士を変更する
正当な理由を提示したものの、値下げ交渉に応じてもらえなかった際には、税理士の変更も検討してみてください。現状支払っている報酬に納得がいかなかったり、依頼内容やサービス内容が価格に見合っていないと感じたりする場合、遅かれ早かれトラブルにつながる可能性もあります。
費用をできるだけ安く抑えたい場合、若手の税理士に変更するのも一案です。若手の税理士は「実績を積み重ねたい」という考えから、積極的に依頼を受けてくれる傾向があり、顧問料やオプション料なども比較的安く設定しているケースが多いです。
しかし、若手ゆえに実務経験が不足している、ベテランと比べると人脈が乏しいといった懸念があることも事実なので、依頼をためらってしまう方もいるかもしれません。
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まとめ
税理士の費用相場は、企業規模や依頼内容によって大きく変動します。そのため、自社のニーズや課題を洗い出し、複数の選択肢を比較・検討したうえで、信頼性や実績がある税理士と顧問契約を結ぶことが大切です。また、報酬が高いからといって、必ずしもサービス品質や対応力が優れているとは限らないため、事前にしっかり見極めなければなりません。
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