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ニューノーマルの経営を税務・会計視点でひも解く

記事作成日2021/06/28 最終更新日2021/11/05

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コロナ禍によって人々の暮らしや社会がニューノーマル(新常態)へ移行し、企業にも変化が求められる今、中小企業は何をすべきか? 自社のどの部分に対策を打って、利益を確保すればよいのか? この時代を生き抜くために、税務・会計視点から、自社の経営のあり方を考えてみてはいかがでしょうか。

今回は、自社にまつわる“数字” を読み解くポイントや、税理士を十二分に活用する方法をお伝えします。

数字から自社の現状を見極める

コロナショックによってこれまでの常識や手法が通用せず、不測の事態が起こりうる不確かな時代だからこそ、自社の経営に関する数字を見ることが非常に重要です。主観ではなく、客観的な数値を見て経営状態を把握しましょう。

そのために役立つのが、変動損益計算書を用いた“管理会計” の考え方です。管理会計とは、簡単に言うと「自社がどのように利益を生み出しているか」を分析し、経営に活かすための会計手法です。変動損益計算書では、売上原価や経費などを“変動費” と“固定費” に分類し、自社の損益構造を可視化します。

変動損益計算書を見れば、売上高から変動費を差し引いた“限界利益” がわかるため、業績を判断しやすくなるメリットがあります。また、人件費や物件費といった固定費の内訳や対粗利益比率も一目でわかりやすく、「それぞれの固定費が適正かどうか」を数字で見直すことで、改めて考えるべき課題が明確になります。

さらに、過去の計算書と比較すると、数字の変化を見て“手を打つべき部分” を洗い出すことが可能です。たとえば、粗利益が前期と同額でも、人件費が増えていれば、「経常利益が減少している」という事実がわかります。このような場合、「顧客単価を上げて、売上高を増大させる」など、さまざまな打ち手や工夫が考えられます。

このように、自社の現状を数字で的確に把握することが、最適な経営戦略や課題解決策につながります。

“財務4表”を活用し、高精度な自社分析を実現

TOMAでは、変動損益計算書・賃借対照表・キャッシュフロー計算書・キャッシュストック計算書の“財務4表” を作成するサービスも提供。自社の数字を読み解きやすくするためのツールとしてご活用いただけます。訪問時に詳細の説明も可能ですので、ぜひご利用ください。
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決算を事前に予測する

企業経営において、自社の財務状況の把握とともに重要なのが、決算です。皆さんご存じのように、決算(本決算)とは、1 年間の企業活動の結果である数値をまとめるものです。しかし、ただ単に通期の結果を総括するのではなく、上半期を過ぎたら“予測” を行いましょう。その時点では細かい数字が一致しなくても構いませんので、まずは大枠を捉えておくことが大切です。

半年前から決算の概算数値を把握できていれば、節税も計画的に行えます。特に中小企業向けには、設備投資や人件費などに関わる税制上の優遇措置が多いので、最新の税制関連情報も常に注視しておきましょう。そうすれば、節税対策の選択肢が広がりますし、自社に適用できる場合は節税効果シミュレーションや業績改善対策なども早い段階で行えます。なによりも、「もう少しで税制の要件に合致したのに」と事後に知るのは、非常にもったいないことです。

もちろん、半期決算だけでなく、毎月の月次決算も、戦略的な企業経営に必要不可欠です。定期的に自社の現状を振り返り、強み・弱みを把握して、先を見据えていく。それが、打ち手の選択肢を増やし、利益を出すためのポイントです。

こうして税務・会計の視点から数字を見ると、さまざまな打ち手を導き出すことが可能になります。

“提案できる税理士”を経営にフル活用するポイント

あらゆる経営課題に先手を打つためにも、税理士は有用な役割を果たします。ここからは、「税理士だからできること」など、税理士を十二分に活用するためのヒントをご紹介します。

数字に基づく経営判断を行う

税理士の最大の特長であり、強みは、「数字を見ることができる」という点にあります。自社にまつわるさまざまな数字を熟知しているということは、数字に裏打ちされた分析をもとに、経営状況も把握・認識できるということです。それに加えて、月次訪問などの定期的な会話を通じて得られるリアルタイムかつ多角的な情報から、適切な経営判断のサポートや提案も行えます。

多様な経営課題発見の糸口に

会計上の数字を理解していれば、経営課題の本質の発見にも役立ちます。たとえば、「事業が順調なのに、人材採用に苦戦している」「定着率が悪い」など、人事関連コストがかかっているケースでは、就業規則や給与規定などの制度に問題があるかもしれません。また、人件費がかさんでいる場合は、人員の配置転換や組織再編、役員報酬の減額などが必要なタイミングにある可能性も考えられます。

さらに、株主構成や持株比率を知る税理士目線から、「ご高齢の株主が多い…。もし10 年後に株主がご存命でない場合、株式が分散し円滑に経営できなくなるリスクがある」など、自社の将来に関するアドバイスを受けることも可能でしょう。

〈数字から見えてくる経営課題の一例〉
経営・組織の仕組み、人事・労務面、IT対応、法人保険、事業承継・相続税、経営者個人の相続など

税務・会計以外の経営課題の解決も

一般的に、税理士の業務範囲は税務・会計分野に特化したものです。しかし、ここまでにご紹介したように、税理士が「数字を見る」ことで見つかる経営課題は、税務・会計分野の枠を超えて多岐にわたります。それらの課題を効率的・効果的に解決するために、TOMAには多彩な分野の専門家が在籍。税理士を介して、人事・労務、業務改善・IT 活用、経営コンサルティングなど、さまざまな課題をワンストップで解決できる体制を整備しています。

「明るく・楽しく・元気に・前向き」という経営理念のもと、企業のお困りごとを「自分事」として考える私たちは、企業に寄り添い成長を支援するパートナーを目指しています。

税理士を有効活用しましょう

TOMAでは、企業経営に関わる数字をひも解いたり、決算対策をお手伝いしたり、税制の最新情報をかみ砕いてご説明したりと、単なる申告書作成や記帳チェックだけでないサービスもご用意しています。税理士をさらに有効活用したいとお考えの場合は、お気軽にご相談ください。
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