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H28年度税制改正における雇用促進税制の見直し及び延長

記事作成日2016/12/13 最終更新日2016/12/13

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雇用促進税制とは

雇用促進税制は、雇用者数が増加した場合最大で「雇用増加数×40万円」の法人税額の特別控除を認めた税制です。積極的な雇用創出及び安定的かつ継続的な雇用促進を目的としています。改正により適用が2年延長され、また、内容の見直しが図られました。今回は、雇用促進税制の適用要件及び見直し点をご紹介します。

適用要件

雇用促進税制が適用できるのは、原則的に、青色申告法人がH23.4.1-H30.3.31の間に開始する各事業年度において、下記の適用要件を全て満たす場合です。
ア.前期及び当期に事業主都合による離職者がいない。
イ.基準雇用者数≧5人(中小企業者等は2人)
ウ.基準雇用者割合≧10%
エ.給与等支給等支給額≧比較給与等支給額
オ.風俗営業等を営む事業主でない。
注)基準雇用者数:当期末の雇用者数-前期末の雇用者数
基準雇用者割合:基準雇用者数/前期末の雇用者数
  比較給与等支給額:前期の給与等支給額+(前期の給与等支給額×基準雇用者割合×30%)

H28年度税制改正における見直し点

(1)税額控除限度額の算定基礎の変更

税額控除限度額は、法人税額に10%(中小企業者等は20%)乗じて算出した金額と、以下の金額とのいずれか小さい金額となりますが、以下の金額の算定基礎が、H28.3.31以前開始事業年度とH28.4.1以降開始事業年度で異なります。

H28.3.31以前開始事業年度  基準雇用者数×40万円
H28.4.1以降開始事業年度   特定地域基準雇用者数※×40万円

※有効求人倍率が低い地域として地域雇用開発促進法に定める一定の地域に存する事業所で、新規に採用した一定の増加雇用者数。詳細は厚生労働省HP「地域雇用開発促進法に基づく地域の要件と支援措置について」参照

有効求人倍率が高い都市部では、要件を満たしてもこの税制は使えなくなりますのでご注意ください。

(2)所得拡大促進税制との併用適用が可能に

H28年度税制改正以前は、所得拡大促進税制との併用適用ができませんでしたが、H28.4.1以降開始事業年度については、一定の調整計算を行ったうえで重複適用ができるようになりました。この結果、節税効果は高くなるといえます。

当税制の適用につき、上記以外の必要要件(ハローワークへの雇用促進計画の提出及び確認等)も事前にご確認ください。

 

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