インボイス(適格請求書)制度開始まであとわずかですが、ご準備は進んでいらっしゃいますでしょうか。中小企業の経営者の方々のインボイスに関するお悩みや不安、制度開始直前のいまのうちに行っておくべきチェック項目・準備などを通じて、インボイス制度への対応のポイントをお伝えします。
インボイス制度についてはこちらのブログをご覧ください。
>>【2023年最新版】インボイス制度とは?導入の手順や留意点を税理士がわかりやすく解説
目次
インボイス制度にまつわる企業の現状
国税庁の発表によると、2023年6月末時点のインボイス発行事業者の登録申請数は約356万件に達しました。現在はさらに件数が増え、消費税を申告している「課税事業者」である法人の大半が登録済みだと考えられます。
しかしその一方で、日本ではまったく新しい制度のため、登録しただけで対応がなかなか進んでいない会社も多いのが現状ではないでしょうか。
「実際に始まってみないと、自社が対応できるかどうかわからない」という経営者の方の声もよくお聞きします。特に、受領側の対応は取引先の状況に左右されるため、対外的な部分に不安を感じている企業も多いと思います。ただし、その中でも発行側・受領側ともに、発生しそうな事態をできるだけ想定して、準備を行うことが大切です。
TOMAのお客様からよく聞くお悩みや不安など
発行側としては「自社のインボイスが適切な形式なのかわからない」「従来の請求書をできるだけ変えずに対応させたいが、どうしたらよいか」「請求者を発行する現場社員がインボイスを理解していない」「会計ソフトでまだインボイス対応の操作を行っていない、慣れていない」など。
受領側として「取引先が適切なインボイスを発行してくれるか心配」「制度に対応できる社内体制づくりにまで手が回らない」「忙しい経理担当者が新制度にも対応できるか不安」「取引先からインボイスを受け取る現場社員への教育・浸透ができていない」など。
POINT:インボイス制度の肝を再度整理
インボイス制度の肝を再度整理すると、インボイス対応の請求書でなければ、仕入税額控除ができなくなるというものです※。
そのためインボイス非対応の請求書を受け取ると、実質的には仕入業者の納税分を肩代わりすることになります。これまで通り控除するためには、適切なインボイスを受領することが必要です。
POINT:経営者が旗振り役を!
経理担当者任せでインボイス対応を進めている企業は、準備が遅れている傾向があります。インボイスに関する自社の方針決定や全社への周知・協力依頼・教育などを行うためには、経営者の積極的な関与が欠かせません。
経営者自身が制度を正しく理解し、取引先の状況や自社の利益損失につながるリスクの有無などを把握しながら、先陣を切って推進することがインボイス対応成功のポイントです。
制度開始直前のチェックポイントを点検しましょう
発行側・受領側ともに、従業員へのインボイス制度に関する理解の浸透や注意喚起などが不可欠です。また、自社としてのインボイスに関する対応方針を明確に伝えることも非常に重要です。
さらに、受領側は「インボイス発行事業者登録を強要しない」など下請法の理解も必要になります。マニュアル作成や勉強会実施、社内掲示板の活用などを通じて周知を行いましょう。
制度開始前後の“不測の事態”にも備えを
インボイス制度開始後に、想定外のことが起こる可能性もあります。しかし、前述した事前チェックと基本的な準備を行うことで、臨機応変な事後対応も可能になります。また、国税庁などが発表する最新情報もチェックしましょう。
インボイス制度開始後はもちろん、開始前でもお悩みやお困りごとなどがありましたら、お気軽にTOMAにご相談ください。
導入サポートのコンサルティングをはじめ、インボイス制度概要研修や業種・職種特化型研修、セミナー動画やWEB 相談サービスなどもご用意しています。
監修 TOMA税理士法人
TOMAコンサルタンツグループ株式会社 法人経営支援部
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※本記事は2023年8月に執筆したものです。