2020年4月17日に国土交通省は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、売り上げが減少したテナントの賃料負担を減らすための支援策を示しました。また、国税庁のホームページでも賃貸物件のオーナーが賃料の減額を行った場合の課税上の取り扱いが示されています。
今回、国税庁・国土交通省から示されたものは、法人税法基本通達の9-4-6の2(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)の災害の範囲に、新型コロナウィルスも含めて良いという内容のものになります。そのため、新型コロナウィルスの影響で、新たに課税上の取り扱いを設けたものではありません。
それでは、賃借人賃料の減免を行った場合の課税上の取り扱いと条件についてご紹介します。
※なお、これからご紹介する内容は、賃貸人が法人であることを前提としております。
賃料を減免した場合の税務上の損金算入について
賃貸借契約を締結している賃借人に対して賃料の減免を行った場合、その賃料を減免したことに合理的な理由がなければ、原則として、相手方に対して減免相当額分の「寄付金」を支出したものとして税務上取り扱われることになります。この寄付金の大部分は、税務上の損金扱いが認められませんので、結果的に課税所得が発生するということになります。
しかし、以下の条件を満たすような場合等には、賃借人に対して賃料を減免した分については、寄付金に該当せず、税務上の損金として計上することが可能です。
1.賃借人において、新型コロナウィルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難になったこと、又は困難となるおそれが明らかであること
2.貴社が行う賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用保険)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること
3.賃料の減額が、賃借人において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものである
また、賃借人に対して既に生じた賃料の減免(債権の免除等)を行う場合についても、同様に取り扱われます。なお、この扱いは、テナント以外の居住用物件や駐車場などの賃貸借契約においても同様です。
今回は、賃借人賃料の減額・免除措置についてご紹介させていただきました。 賃料の減免分が寄付金とならないように、賃料の減免に関する賃借人との合意内容を書面にしておくことが必須でしょう。
賃借人賃料の減額に関する税務上の取り扱いについての情報収集
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