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決算賞与

記事作成日2019/09/13 最終更新日2020/05/11

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■決算賞与とは

従業員に支給される賞与には、就業規則や給与規定などに基づいて支給される通常の賞与(ボーナス)の他、業績に応じて支給されることがある決算賞与があります。
賞与は原則として従業員に実際に支給した事業年度の損金となりますが、以下の要件を満たす賞与については、未払金計上した事業年度の損金となります。

■損金算入時期
 次の①、②の賞与の区分に応じて損金算入時期が異なります。

①労働協約又は就業規則により定められた支給予定日が到来している賞与
【要件】
・従業員に賞与の支給額の通知がされている
・通知した支給額を損金経理している
【損金算入時期】
 上記の要件を満たしている場合、「賞与の支給予定日又は、通知した日のいずれか遅い日の属する事業年度」

②次の要件の全てを満たす賞与
1.支給額を、各人別に、かつ、同時期に賞与の支給を受ける全ての従業員に対して通知をしていること。
2.1.の通知をした金額を、当該通知をした全ての従業員に対し、当該通知をした日の属する事業年度終了の日の
翌日から1ヶ月以内に支払っていること。
3.通知した支給額につき1.の通知をした日の属する事業年度において損金経理をしていること。

【損金算入時期】
 「従業員に賞与の支給額の通知をした日の属する事業年度」

【※注意】
1.の要件は後日、税務調査等でその証明を求められることが考えられますので、各人への通知は書面で行い、通
知された旨のサインをもらっておいた方が良いでしょう。また、支給日の在籍者のみ支給としている場合は通知したことにならないので注意が必要です。

2.の要件は決算日後1ヶ月以内に各人に銀行振込をすれば証拠として残ります。現金支給をした場合には、従業員各人から領収書を取る必要があるでしょう。

■メリット
①節税効果
決算賞与は、企業の業績に応じて賞与の額を決めることができます。つまり、利益がたくさん出た年には賞与として従業員に支給し、その分だけ損金として計上することで、結果として節税することができます。
損金として認められるためには、上記の「■損金算入時期」に記載した要件を満たす必要があります。

②従業員のモチベーションアップ
従業員のボーナスとして支払うことで、従業員の頑張りが目に見える形で自分達の収入に還元されますので、満足度が高まり、モチベーションアップに繋がります。

■デメリット
 キャッシュが減ってしまうことです。
税金として支払う分は減りますが、賞与として支払う分が増えますので、資金繰りには注意が必要です。

以上が決算賞与についての取り扱いとなりますが、未払いの決算賞与について損金として認められるためには要件を満たしたという証拠を残しておく必要がございますのでご注意ください。

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