今回は、結婚式の参加費用における会計税務の取扱いについてお話させていただきます。経営者の方々の中には、仕事上のお付き合いまたは従業員の結婚式に参加された方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。また経理の方の中には、その結婚式参加費用をどのように処理すればいいのか悩んでいる方も多くいらっしゃるかと思われます。
結婚式参加費用の会計・税務の取扱い
得意先等の方の結婚式参加費用と従業員の結婚式参加費用とでは、会計・税務の取扱いが下記1.2のように異なります。
1.得意先等の方の結婚式に参加した場合
得意先等の方の結婚式に参加した場合に支払ったご祝儀は、原則として接待交際費として処理をします。
・ご祝儀として3万円現金で支払った
接待交際費 30,000 / 現金 30,000 消費税は不課税
また、この結婚式に参加するために支出した旅費交通費も接待交際費として処理をします。
・得意先等の結婚式に参加するために支出したタクシー代2,000円
接待交際費 2,000 / 現金 2,000 消費税は課税
結婚式のご祝儀は、一般的に領収書の発行は受けられないので、結婚式の招待状に支払ったご祝儀の金額を記載しておくなどして証拠書類を残しておいてください。
また税務上は、原則として接待交際費は、一部を除き損金として認められないものとなります。しかし、中小企業者であれば年間800万円(又は接待飲食費の50%相当額のいずれか多い金額)までは損金算入が可能です。
2.従業員の結婚式に参加した場合
従業員さんの結婚式において会社が支払ったご祝儀は、原則として一定の基準に従って支給した場合には、会計上福利厚生費として処理をします。
・ご祝儀として3万円現金で支払った
福利厚生費 30,000 / 現金 30,000 消費税は不課税
ここでいう一定の基準とは、会社の規程等に基づき、「勤続年数○年の者が結婚した場合には会社から ◯◯ 円支給する」といったものになります。
税務上でも、会社の福利厚生費として損金算入できますが、世間から見てあまりに高額(社会通念上認められる範囲を超える)なご祝儀を渡してしまうと、仮に上記の規程に基づいていたとしても否認され、また従業員の給与として課税される可能性もありますので、金額に関しては専門家にご相談することをお勧めいたします。
TOMA税理士法人では模擬税務調査や決算対策のセカンドオピニオンも承っております。お気軽にご相談下さい。