税務調査で指摘されやすい項目のひとつである、福利厚生費についての注意点をご紹介します。
原則として、会社が従業員に対して行う福利厚生制度は、給与として取り扱われますが、一定のものについては、あえて給与課税する必要はないとされています。
福利厚生制度が給与になるか否かの判断としては、大きく2つの論点によって判断されることになります。
福利厚生制度が給与になるか否かの判断
①特定の人のみを対象としていないか。
福利厚生という名目でも、特定の者のみを対象としている場合は、給与として取り扱われてしまいます。原則として、全従業員を対象とするものでなければ、福利厚生費とは認められず、給与となります。
②不相当に高額でないか。
全従業員を対象としていたとしても、その金額が社会通念上不相当に高額である場合は、給与として課税がされてしまいます。
福利厚生費となるよくある事例
◆事例として、法人の処理でよくあるものを記載します。
・現物に代えて従業員に一律の金額で支給する作業服手当・・・・・・給与
・人間ドックの検診料の負担・・・・福利厚生費(特定の者のみを対象にしている場合を除く)
・新社屋等の落成記念式典の費用・・・・参加するのが自社の役員及び従業員のみで、一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用は、福利厚生として処理することができます。
・業務成績優良者の旅行代金・・・・その使用人に対する給与
・得意先を旅行に招待した場合の随行社員の旅行費用・・・・その旅行が接待等の目的である場合は交際費に該当します。
このように、福利厚生費は交際費や給与と取扱いを注意しなければならないものが多くあります。
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