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複数事業の会社を承継する際に有利な組織形態とは?

記事作成日2020/09/15 最終更新日2020/09/15

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X、Y事業を営むA社を事業承継する場合に、3つの組織形態を比較します。

意思決定の迅速化

経営環境の変化が激しい今日において、意思決定が遅れることは企業にとって致命傷になりかねません。迅速な意思決定が可能な組織で後継者に引き継ぐことが重要です。

 Case1
同じA社に属するため、Y事業の意思決定にX事業専任の幹部社員が関わります。
そうすると、過剰な説明や不要な議論が発生し、意思決定が遅れがちです。 Case2
A社はY社の親会社なので、Y事業の重要な意思決定にX事業専任の幹部社員が関わる可能性があります。

 Case3
X社とY社に直接の資本関係がないため、Y事業の意思決定にX事業専任の幹部社員が関わりません。
意思決定に関わる人数を必要最小限まで絞り込むことで意思決定を迅速化できます。

迅速な意思決定にはCase3が最も有利です。

後継者が育つのは?

後継者にいきなり企業経営のすべてを任せることは、後継者自身にとって重すぎる負担になりかねません。後継者は小規模な単一事業で経営経験を積むべきです。
後継者にY事業を任せることにしましょう。

 Case1
 Y事業の売上目標や、利益目標を管理することはできますが、
ファイナンスやキャッシュフローといった経営に必須の管理手法を経験できません。 Case2

Y社の不足した事業資金はA社が貸し付けるケースが大半で、ファイナンスやキャッシュフロー管理は中々身に付きません。 Case3

Y社は独立した会社に近く、前述のとおり、意思決定に関わる人数が少ない分、意思決定の範囲は広範囲に渡り、
資金繰りや資本効率も要求されます。
そのため、後継者は独立した会社の経営者とほぼ同じ経験を積むことが可能です。

後継者を育てるにはCase3が有利だといえます。

以上の観点から、複数の事業を営む経営者には、事業承継を計画するタイミングでホールディング会社設立の検討をお勧めいたします。