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組織再編にかかる費用とは

記事作成日2020/03/25 最終更新日2021/01/22

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企業間の合併や新会社設立などによる組織再編には費用が掛かります。会社の求心力を高めるための組織再編なのに費用が掛かりすぎてしまっては本末転倒ということも考えられます。それでは、組織再編にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。また、その費用を少しでも抑える方法があるのでしょうか。

■組織再編にかかる費用とは

組織再編といえど、10社あれば10通りの再編方法があり、費用も異なります。また、組織再編を成立させるためにかかる費用と、組織再編を成功させるためにかかる費用があります。

また、新組織を発足させるにあたり発生する費用もあることを覚えておきましょう。

◇組織再編を成立させるためにかかる費用

・組織再編コンサルティング費用

・士業報酬(財務や法務面での調査に関する費用、場合によっては土壌調査なども含まれる)

・契約締結にかかる弁護士報酬、契約書にかかる印紙代

・官報公告にかかる費用(合併広告や、債権者保全手続きなど)

これらの費用は買い手企業側が負担する費用となります。ただし、売り手企業側が組織再編のためのコンサルティングを専門会社に依頼した場合は、売り手企業側も負担します。

◇組織再編を成功させるためにかかる費用

①合併の場合

合併を行うことで資本金が増加する場合は、変更登記が必要となります。登記申請書に貼付する登録免許税(収入印紙)が必要になります。このほか、必要に応じて株券事務費用なども発生します。

②分割の場合

こちらも資本金増加の場合は、登録免許税が必要になります。また、会社分割によって売り手が所有している土地や建物が買い手となる承継法人へ移転する場合にも、変更登記が必要になりますので、別途登録免許税が必要になります。

③株式交換・株式移転の場合

こちらも資本金増加の場合は、登録免許税が必要になります。株券事務費用が案件ごとに必要になる場合があります。また、組織再編税制による会社や株主に対する税負担が発生する可能性があります。

④事業譲渡の場合

事業譲渡のケースでは、買い手側の企業が事業譲渡の対象となる資産に対して合意した譲渡額を売り手側企業へ支払います。

譲渡資産のなかに、土地や建物が含まれている場合、所有権移転に関する登記が必要となります。その際に登録免許税を負担する必要があります。また負債も含む譲渡資産に対し消費税がかかります。

⑤株式買収の場合

株式買収ですので、資本金の増資や不動産等の所有権移転がないため、株式買収資金のみが必要となります。株式譲渡に関しては、消費税法において非課税取引となります。消費税の認識は不要です。

◇組織再編に課税されることもある

「組織再編税制」と呼ばれる税制度があります。これは、企業同士が組織再編を行う場合に課税されるもので、簿価や時価によって課税の有無が決まります。この税制度はとても複雑なうえ、例外規定も多くあります。組織再編そのものの事案が少ないため手続きが難航する場合も考えられます。判断ミスによって課税額が跳ね上がる場合もあるため、専門家にゆだねることが必要です。もちろん、今回の組織再編が課税に該当する事案だと明確な場合には、その課税額を準備しなければいけません。

◇新組織発足のためにかかる費用

新組織を発足させ、消費者や取引先各社に周知するための広告宣伝費などが発生します。ロゴ作成、社章作成、新聞広告・TVCM、社員の名刺を刷新する費用などが掛かることでしょう。

■かかる費用を安くする方法はあるのか

登記にかかる印紙代や、官報公示に関する料金を安くすることはできません。ただし、適格合併を検討するなど、適正な組織再編の方法を選択したうえで行う税務手続によっては、税金を抑えることは可能です。

また、「登記手続きは司法書士」「税務報告書は税理士」「労務関係は社会保険労務士」「組織再編はコンサルタント」というように、複数名の士業やコンサルタントを介入させて手続きを平行させると、連携や共有がうまくいかず二度手間になるといったことが懸念されます。また、それぞれの士業へ報酬を支払う必要があるため思った以上に経費が掛かります。

組織再編に関するコンサルティング会社の中には、士業へ手続きを依頼することも含め、包括的に組織再編を請け負うパッケージプランを提供しているところも存在します。

パッケージプランを利用することで、個別に士業へ依頼するよりも費用を抑えられるメリットが生まれます。

■まとめ

組織再編に関しては大きく費用が掛かる場合もありますが、「適格合併」を目指して企業間の合意に至るように動くことで税金の負担などを最低限に済ませることができます。そのためには、組織再編の実績に長けたコンサルティング会社へ依頼することが大切です。

コンサルティング会社の事前のリサーチを含め、組織再編にかかる費用の見積もりなども進めていきましょう。

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