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政治家なら問題なし?白紙領収書は有効か?

記事作成日2016/10/28 最終更新日2016/10/28

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白紙の領収書の有効性

政治家の場合

先日発覚した、政治家の白紙領収書問題。政治家が政治資金パーティに出席した際に白紙の領収書をもらい、後から自分で金額等を記載していたという事件です。当の本人は「何ら問題はない」と答弁をしましたが、法律的にも問題がないとの事でした。政治資金規正法では、人件費を除く全ての支出について領収書の公開を義務付けていますが、その使途や形式についての規定が無い為です。

では、同じことを事業を行っている個人や法人でやった場合にはどうなるでしょうか?

事業を行っている個人や法人の場合

事業を行っている個人や法人が、その所得を計算する際には帳簿を整備する必要があります。その帳簿に記載した内容や金額は、領収書や請求書などといった証拠(原始証憑)によって証明されなくてはなりません。

そもそも領収書とは、金銭の支払いと受け取りの経緯を証明するために「金銭を受け取った側」が発行するものです。法律上の証拠書類であり、発行者以外の人が勝手に記入したり、改ざんをした場合には「文書偽造」として刑法違反になります。

ただし、税法上では、白紙の領収書に自ら金額を記載し、経費に計上したからといって、その経費が直ちに認められないという訳ではありません。領収書の内容が事実どおりに記載されており、帳簿等に不備がなければ、税法上の違反にはならないでしょう。

しかしながら白紙の領収書は、経費の水増しといった脱税行為に利用される可能性があります。従って税務調査等で調査官が違和感を持った領収書については、反面調査等でその領収書が正規のものか否かの確認を取ります。その結果、実際に白紙の領収書に自ら水増しした金額を記載し、経費として処理した場合には脱税となり、仮装隠蔽として重加算税の対象となります。反対に発行した側においては、脱税を助けたということで、脱税幇助の罪に問われます。

白紙領収書をもらって偽造することだけでなく、記入済みの領収書の金額に0を加えてみたり、発行者に無理を言って、ありもしない取引の領収書を作らせることも同じことです。事実に基づかない領収書を作成することは脱税及び文書偽造として罰せられるおそれがあります。

また、このような行為が企業内で横行すれば、内部統制に問題が生じ、企業活動に支障を来たします。領収書1枚は小さなことかもしれませんが、取り扱いについては注意を払いましょう。