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事業承継とホールディング経営の関係

記事作成日2020/02/07 最終更新日2023/10/31

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現経営者から後継者へと事業を承継する際、多額の相続税やたくさんの手間がかかります。しかし、ホールディング経営なら、それらの問題も解消することができるのです。この記事ではホールディング経営とは何なのか、また、ホールディング経営が増えている背景やそのメリット・デメリットをご紹介します。

ホールディング経営が増えている背景

まずホールディング経営とは、1997年に解禁された、持株会社を利用した経営方法のことです。「~ホールディングス」「~グループ」などといった名前の会社がこれにあたります。

現在、中堅・中小企業の事業承継において、子どもなど親族への承継は5割を切っており、親族以外への承継が増えています。

また、株式交換・株式移転などの商法(現会社法)改正や、それに呼応した法人税制等の改正が矢継ぎ早にあり、理想的な資本・財務構成を築きやすくなっているという背景があることから、ホールディング経営はますます増えている現状にあります。

ホールディング経営とは、持株会社を利用した経営方法

ホールディング経営とは、持株会社を利用した経営方法のことです。

持株会社は、株式の保有自体を目的とする会社であり、実際の事業は子会社が行います。つまり、親会社が株式を保有し、子会社が事業を行うという形式です。そうすることにより、同じ経営方針のもと、別の会社が複数の事業を行う、という形になります。

ホールディング経営のメリット・デメリット

では、そのホールディング経営を行うことにより、事業承継においてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。具体的にご紹介していきます。

メリットは節税・効率化・迅速化

まず、メリットは事業承継における相続税が軽くなる可能性があることです。

持株会社化にあたり、株式移転のための費用を銀行から借りると、資産である株式と負債である銀行借入が相殺され、持株会社自体の株式評価額は低くなります。

評価が下がった持株会社株式を相続させることで、相続税を圧縮することが可能であると考えられています。ただし、この節税行為が認められず追徴課税される場合もありますのでご注意ください。また、複数の会社を経営している場合、ホールディング経営を行うと事業承継の手間が省けるというメリットもあります。

複数の会社を経営している経営者は、事業承継の場合、本来はそれぞれの会社ごとに株式の引き継ぎが必要となります。しかし、持株会社を利用しホールディング経営を行っていれば、持株会社の株式を引き継ぐことで、全子会社の引き継ぎとすることができます。

なお、ホールディング経営の場合、事業の実施は子会社に一任するため、グループ全体の意思決定に専念することができ、経営の迅速化にもつながります。

デメリットは子会社との連携の難しさ、余計な人員コスト

その反面、事業の実施を子会社に任せている分、子会社が事業実施のうえで都合の悪い情報を親会社に隠すこともあり得ます。事業を細分化している分、親会社は子会社の状況をしっかりと把握しておかなければなりません。

また、親会社が決定したグループ全体の方針に対して、事業の実情にそぐわず反発する子会社が出てくることもあります。子会社のジャンルが多岐にわたるほど、子会社間の事業の違いも大きく、親会社の方針に合わない子会社も出てきてしまうおそれがあるのです。

なお、子会社が多いほど、経理部・総務部など会社間で部門が重複することが多く、余計な人員コストがかさんでしまうこともあります。

まとめ

ホールディング経営は、事業承継をする場合におすすめの経営方法です。しかし、節税できる・手間が省ける・意思決定が早いというメリットの反面、子会社との連携が難しく、余計な人員コストがかかってしまうというデメリットがあります。ホールディング経営を始める場合は、ぜひ専門家に相談のうえ、慎重に始めるとよいでしょう。

事業承継のご相談、ホールディングカンパニーについて詳しく知りたい方は、TOMAのコーポレートアドバイザリー部までお気軽にご連絡ください。

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