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kintone(キントーン)のAPI連携とは?機能と活用例を紹介

記事作成日2025/09/26

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「kintoneで業務をもっと効率化したいが、ほかのシステムやアプリとの連携方法がわからない」という悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

kintoneでは、API連携の仕組みにより外部システムやアプリと、自動でデータをやり取りできます。この機能を活用すれば、顧客管理や受注データの一元化、請求書発行システムとの連携など、さまざまな業務の自動化・効率化が可能です。

本記事では、kintoneのAPI連携によってできることから利用するメリット、具体的な設定方法、実際の活用例まで詳しく解説します。

kintoneのAPI連携とは?

kintoneのAPI連携とは、kintoneと外部システムやアプリを接続して、データのやり取りや機能の拡張を実現するための仕組みです。そもそもAPI(Application Programming Interface)とは、異なるソフトウェア同士で情報をやり取りするための「橋渡し」の役割を果たす仕組みを指します。

kintoneで用意されているAPIは、おもに「kintone REST API」と「kintone JavaScript API」の2種類があります。

kintone REST API は、kintoneの中に格納されている「データそのもの」を、ほかのシステムやアプリとやり取りするためのAPI。それに対してkintone JavaScript APIは、kintoneの「画面の見た目や動作」をカスタマイズするためのAPIです。

これらのAPIを活用することによって、kintoneを単なる情報共有ツールから、外部サービスと連携した中核業務システムへと進化させられます。

kintoneのAPI連携でできること

kintoneのAPI連携では、具体的にどのようなことができるのでしょうか。まずは、API連携の代表的な活用例について紹介します。

外部サービスとのデータ連携

API連携を活用すれば、GoogleカレンダーやGmail、Slack、LINE WORKSなど、さまざまな外部サービス・システムとkintoneとの間でデータを双方向にやり取りできるようになります。

例えば、Webフォームから取得した顧客情報を自動的にkintoneへ登録したり、kintone内の受注データを請求書発行システムや会計ソフトへ送信したりできるようになります。

これにより営業部門から経理部門への情報伝達や、会計処理、スケジュール管理などが自動化され、請求業務や事務作業における負荷の大幅な軽減が可能です。

同時に、転記ミスの防止や作業時間の短縮にもつながり、業務全体の効率化が期待できます。

業務プロセスの自動化

API連携を活用すれば、さまざまな業務プロセスを効率的に自動化できます。例えば、受注処理後に自動で顧客に通知メールを送信したり、条件に応じてタスクを自動的に割り当てたりすることが可能です。

また、在庫管理やレポート作成などの定期業務も自動化できるため、従業員はより付加価値の高い業務に集中できるほか、手作業によるミスを防ぎつつ生産性を大幅に高められます。

さらに、RPAツールと組み合わせることにより、複雑なワークフローや複数システム間の連携もノーコードで実現できるため、部門をまたいだ業務全体の効率化が可能です。

データの一元管理

kintoneで管理しているデータを外部サービスとリアルタイムで共有したり、外部システムのデータをkintoneに集約したりすることも可能です。

例えば、Excelや会計システム、コミュニケーションツールとの連携により、複数部門や拠点で分散していた情報をkintone上に集約・統合できます。

これにより、経営層はリアルタイムに正確な経営状況を把握できるため、的確な戦略立案や迅速な意思決定が可能になります。また、業務全体の可視化が進むことにより、部門間の情報共有や連携もスムーズになり、サービス品質や業務効率の向上も期待できるでしょう。

kintoneのAPI連携を利用するメリット

API連携を取り入れることによって、kintoneは情報共有の枠を超え、より柔軟で高度な業務連携を実現する基盤へと進化します。ここでは、API連携によって得られるおもなメリットについて3つ紹介します。

業務を効率化できる

kintoneのAPI連携を活用することにより、異なるシステム間でのデータ共有や連携が自動化されるため、これまで発生していたデータの転記や再入力の手間を大幅に削減できます。例えば、営業担当がkintoneに入力した情報が会計システムや在庫管理システムにも自動的に反映されるため、複数のソフトを開いて同じ内容を入力する作業は不要です。

その結果、作業時間の短縮につながるだけでなく入力ミスや入力漏れの防止にもなり、業務全体の精度と効率が向上します。

さらに、データの一元管理が進むことにより必要な情報を即座に取得できる環境が整い、迅速な意思決定にもつながります。

機能の拡張が可能になる

外部システムやサービスとのデータ連携によって、kintoneの機能を大きく拡張できるのもAPI連携のメリットです。

例えば、チャットツールやBIツール、メール配信システム、カレンダーなど、さまざまな外部サービスと連携することによって、kintoneを中心とした業務基盤を構築できます。

これにより、アプリケの開発や業務効率化をさらに推進できるため、企業の成長や業務の変化にも柔軟に対応できる環境が整います。

kintoneのAPI連携の設定方法

kintoneのAPI連携を設定する方法には、大きく分けて「kintoneをカスタマイズする方法」と「外部連携サービスを利用する方法」の2つがあります。それぞれの特徴や設定手順を理解し、自社の業務やスキルに合った方法を選択しましょう。

kintoneをカスタマイズする

1つ目はkintoneを自らカスタマイズする方法です。この方法は、さらに「kintone REST API」を使う方法と「kintone JavaScript API」を使う方法に分けられます。

kintone REST APIを使う

kintone REST APIを使用すれば、外部システムやアプリからkintoneのデータにアクセスし、レコードの取得・登録・更新・削除などの操作が可能です。

REST APIは自由度が高く、自社独自の要件に合わせた柔軟な連携が可能です。ただし、JavaScriptやプログラミングの知識が必要なため、初心者にはややハードルが高く、場合によっては外部の開発パートナーなどに協力を仰ぐ必要があります。

kintone JavaScript APIを使う

kintone JavaScript APIは、JavaScriptを使ってkintoneの画面上での見た目や動作についてカスタマイズを行う仕組みです。おもに、フィールド値の更新・設定、UIのカスタマイズなどに利用されます。

kintone JavaScript APIを使えば、kintoneで入力の自動化処理やインタラクティブな表示が可能となり、ユーザー体験を大きく向上させることができます。

例えば、入力内容に応じて自動的に計算を行う、入力条件によって表示項目を切り替えるといった高度なカスタマイズも実現可能です。

ただし、こちらもJavaScriptやCSSの知識が必要なため、導入には一定のスキルが求められます。

外部連携サービスを使う

既存の外部連携サービスを利用すれば、コストをかけずに簡単な操作でAPI連携が可能です。例えば、GmailやGoogleスプレッドシート、LINE WORKSなど、サードパーティが提供する連携ツールが多数存在します。

これらのサービスは、kintoneのAPIトークンや連携先の認証情報を設定画面で入力するだけで、複雑なプログラミングなしにデータ連携が実現できる点が特徴です。

設定手順は、kintone側でAPIトークンを発行し、連携サービス側で必要な認証情報やデータ項目を指定するだけです。

プログラミングの知識がなくても直感的に導入できるうえ、スピーディーな実装が可能なため、非エンジニアの方や小規模プロジェクトに適しています。

kintoneのAPI連携の活用例

kintoneのAPI連携は、さまざまな外部サービスや業務システムと柔軟に連携できるため、現場の業務効率化や情報共有の最適化に大きく貢献します。ここでは、kintoneのAPI連携による代表的な活用例についてご紹介します。

kintoneとSlackを連携

kintoneとSlackを連携させれば、kintone上の更新情報をリアルタイムでSlackに通知できるため、業務効率と情報共有のスピードが大幅に向上します。

例えば、新規案件の登録やタスクのステータス変更時に、指定したSlackチャンネルへ自動的に通知を送信できます。これにより、重要な情報をチーム全体で即座に共有できるため、対応の遅れや伝達漏れを防ぐことが可能です。

さらに、BizteX ConnectやSmart at messageなどの連携サービスを活用することにより、Slackからkintoneの情報を検索・更新する自動化フローが簡単に構築できます。

API連携はkintoneの標準機能や外部サービス、アプリケーションパッケージなど多様な方法で実現可能であり、業務やシステム環境に合わせて最適な連携方法を選択できる点も大きな魅力です。

kintoneとマネーフォワードクラウドを連携

kintoneとマネーフォワードクラウドを連携させれば、経理業務の自動化と効率化が実現します。

例えば、kintoneで作成した見積書や請求書データをAPI経由でマネーフォワードクラウド請求書に自動連携できるため、請求書発行や会計処理を一気通貫で自動化できます。

また、入金情報や取引先データも相互に連携可能です。これにより、経理部門の入力作業やデータ転記の手間が大幅に削減されるうえ、ヒューマンエラーの防止にもつながります。

財務状況や入金ステータスをリアルタイムにkintone上で確認できるので、経営層への情報共有や経営判断の迅速化にも役立ちます。インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応しており、業務フローの最適化と法令対応を同時に実現できる点も大きなメリットです。

kintoneとfreeeを連携

kintoneとfreeeを連携させれば、営業管理と会計処理をシームレスに一元化できます。

kintoneで管理している受注データや請求書データをfreeeに自動連携することにより、売上計上や仕訳作成などの会計処理を自動化することが可能です。これにより、経理担当者の入力作業や転記ミスを大幅に削減できます。

また、freee側で管理している会計データをkintoneに取り込むことによって、営業担当者が顧客ごとの売上状況や請求・入金状況をリアルタイムで把握できるようになります。

その結果、営業活動の効率化や部門間の情報共有が促進され、業務の属人化防止やミス削減、企業全体の業務品質向上にもつながります。

kintoneとLINE WORKSを連携

LINE WORKSと連携すれば、モバイル環境下でもワークフローの承認や情報共有がスムーズに行えます。

例えば、kintoneで申請されたワークフローの承認依頼をLINE WORKSに自動通知し、管理者がkintone上で承認後に申請結果をLINE WORKS上で通知する、といったことが可能です。

また、kintoneの重要な更新情報やアラートをLINE WORKSに通知できるため、社内のコミュニケーションツールを一元化し、情報伝達のスピードと確実性を高められます。

普段から使い慣れているLINEと似たUIを持つLINE WORKSを活用することにより、現場での即時対応や情報共有体制の強化が実現でき、承認漏れや伝達ミスのリスクも大幅に軽減されるでしょう。

kintoneとGoogleカレンダーを連携

Googleカレンダーと連携すれば、スケジュール管理の効率化が図れます。

例えば、kintoneで新規案件が登録されると、自動的に担当者のGoogleカレンダーにミーティング予定が追加されるといった運用を行うことも可能です。

逆に、Googleカレンダーの予定をkintoneに反映させることによって、チーム全体のスケジュールを一元管理することもできます。これにより、リソース配分や進捗管理の最適化が実現可能です。

部門間の調整やスケジュールの共有もスムーズになり、業務全体の可視化と効率化にも大きく貢献します。情報の抜け漏れやダブルブッキングの防止にも役立ち、組織の生産性向上にも寄与します。

TOMAのkintone導入支援で効率的なAPI連携を実現

kintoneのAPI連携を活用すれば、外部サービスや業務システムとのデータ連携や業務自動化が実現し、企業の業務効率化や情報共有の最適化が進みます。

例えばチャットツールや会計ソフト、カレンダーなど多様なサービスと連携することにより、情報の一元管理やリアルタイムな経営判断、部門間の連携強化が可能です。しかし、最適なAPI連携や業務フローの設計には専門的な知識や経験が求められる場面も多く、自社だけでの導入・運用に不安を感じる方も少なくありません。

TOMAでは、長年の業務改善コンサルティングのノウハウを活かし、単なるシステム導入にとどまらず、最適な業務フローの提案からシステム構築、API連携の設計・実装まで一貫してサポートします。

プロトタイプの作成や定額制プランにより、コストと時間を抑えつつ、実際の業務にフィットしたシステムをスピーディーに構築可能です。kintoneの導入やAPI連携、業務のDX化と生産性向上でお悩みの方は、ぜひTOMAのkintone導入支援サービスの活用をご検討ください。

また、kintoneに関してご相談も受け付けております。以下の無料相談・お問合せよりご連絡ください。