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kintoneでExcelのデータを取り込む方法とは?脱Excelの必要性とkintoneのメリットを解説

記事作成日2025/09/19

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Microsoft Excel(以降:Excel)は、あらゆる企業で使われている代表的な表計算ソフトです。しかし近年、複数人でデータを共有しづらい、大量のデータを処理しづらいなどの課題がDX推進の足かせとなることから、脱Excelの動きが加速しています。

脱Excelを図るなら、ノーコードでアプリが作れる「kintone」がおすすめです。kintoneなら、Excelファイルを取り込むことで簡単に業務アプリを作成できます。

当記事では、脱Excelが注目されている理由やExcelからkintoneに移行するメリットを紹介します。Excelファイルをkintoneに取り込んでアプリを作る手順や注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

脱Excelが注目されている理由とは?

ここでは、脱Excelが注目される理由を詳しく解説します。

Excelにできる業務量に限度があるから

Excelで保存できる行数は、1シートにつき約100万行とされています。ただし、データ量が増えると、その分処理速度が遅くなりがちです。

また、複雑な関数を多数使用した場合も処理速度が遅くなりがちです。こうした処理速度の低下によって作業効率が大幅に落ちた経験のあるビジネスマンは多いでしょう。

このような状態が続く現場は結果的に事業成長の足かせとなり、各種データの戦略的な活用を妨げる要因となります。

特に、顧客情報などのデータを蓄積させる現場の場合は、件数に制限のあるExcelを使い続けるのは得策ではありません。

DX化の推進を阻むから

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術やデータを用いて業務を変革させることです。

Excelはたしかに優れたツールですが、働き方改革やDX推進の観点では、活用の限界が顕在化しています。数人での同時編集の難しさやデータの一元管理の難しさ、セキュリティ問題など、Excelにはさまざまな課題があるためです。

Excelによって作業効率が低下している業務を洗い出し、より効率の良いツールに移行することが、業務効率化や生産性向上につながります。

仕事の属人化につながるから

脱Excelを図るべきもう一つの理由は、業務の属人化による問題です。

企業において、社内にExcelの知識に長けた職人のような社員がいることは珍しくありません。Excelの知識に長けた社員には、複雑な関数処理やマクロの作成を行うことが可能ですが任せられますが、該当社員に業務が集中し属人化が加速しがちです。

また、属人化した業務はマニュアルの整備ができていないことが多く、担当者が不在になると業務が滞ります。業務効率化の観点においても、Excelの属人化は解決すべき課題といえるでしょう。

脱Excel kintoneに移行する4つのメリット

Excelからkintoneに移行することで得られるメリットは4つです。

Excelファイルから簡単に業務アプリが作れる

kintoneでは、これまでExcelでやっていた業務から、簡単に業務アプリを作成できます。以下はkintoneで作成できるアプリの例です。

・日報・報告書
・顧客情報・案件の管理
・問い合わせ管理
・採用面接の管理
・タスクの管理
・交通費の申請

また、kintoneの業務アプリはノーコードで作れるため、ITやプログラミングに詳しい人材がいなくても問題ありません。これにより、現場の担当者が自ら業務改善を進められるようになり、外部業者に頼ることなく、スピーディーかつ低コストで業務アプリを作成できます。

複数人でデータの編集共有管理ができる

Excelは複数人でのデータ共有が前提ではないため、共同作業をするツールとしては適していません。

一方、kintoneはクラウドを活用するため、複数人によるデータの共有・閲覧、同時編集、管理が可能です。リアルタイムで情報を更新できることで、データのやり取りにかかる手間が減り、業務の抜け漏れや伝達ミスも防げます。

ファイルの管理に振り回されることなく、本来の業務に集中できる環境が整います。

コメントでコミュニケーションが可能

kintoneでは、データに対する指示などをコメントすることが可能です。メールなどで連絡する手間が省け、チームのコミュニケーションが円滑になります。

また、掲示板形式で情報共有ができる「スペース機能」や、社外との連携も可能な「ゲストスペース」など、コミュニケーション機能も充実しています。

kintone上でコミュニケーションをとれることで、メールやチャットツールなどに情報が分散するのも防げます。また、案件やデータに紐づいたコミュニケーションログを残せるため、あとから情報を確認しやすいこともメリットです。

さまざまなデバイスからアクセスできる

kintoneはクラウドサービスのため、スマートフォンやパソコン、タブレットなどのさまざまなデバイスからアクセスが可能です。

上司が承認する必要がある業務や報告書の提出なども、外出先からでも対応できます。特に外出の多い従業員にとっては、オフィスに戻ることなく業務を遂行できる点は大きなメリットです。

Excelをkintoneに取り込みアプリを作成する手順

kintoneにExcelのデータを使用した業務アプリの作成手順を解説します。

<アプリの作成手順>

  1. 取り込むExcelファイルを準備する
  2. アプリの作成を開始する
  3. ファイルをアップロードする
  4. プレビューの確認

以下で、アプリの作成手順を詳しく解説します。

取り込むExcelファイルを準備する

まずは、アプリに使うExcelファイルを準備します。kintoneでExcelファイルを取り込みやすくするため、整形する際は、以下のポイントも考慮しましょう。

・複雑な帳票形式ではなく、シンプルな表にする
・結合したセルは解除しておく
・最大で500列、1,000行、1MBまでに収める(アプリ化可能なを作成できるExcelの上限)

なお、一度に取り込みを指定できるのは1シートのみです。

アプリの作成を開始する

kintoneのポータル画面右下にある「アプリ」から作成メニューを開きます。次に、kintoneアプリストアの画面にある、「Excelを読み込んで作成」を選択。

次画面で表示される「作成を開始する」をクリックすると、Excelを取り込む準備に移ります。Excelファイルに関するチェック項目を確認し、問題がなければ「アップロードへ進む」をクリックしましょう。

ファイルをアップロードする

次にファイルをアップロードします。「参照」をクリックし、アップロードするExcelファイルを選択します。Excelファイルを取り込むと、アプリのプレビューが表示されます。プレビューを確認し、Excelの項目に合わせたフィールドタイプを選びましょう。

フィールドタイプとは、アプリに登録するデータの入力方法のことです。文字列、ラジオボタン、ドロップダウンなどが挙げられます。例えば、会社名や氏名は「文字列」、部署名は「ドロップダウン」など、入力しやすいフィールドタイプを選択してください。

プレビューの確認

最後に、プレビュー画面でフィールド名やフィールドタイプの選択に間違いがないかを確認します。問題がなければ「アプリの作成を開始する」の画面右下にある「作成」をクリックしてください。

アプリの作成が完了したら、ポータルに表示されたアプリ名をクリックし、内容を確認して終了です。

作成済みのアプリにExcelのデータを取り込む方法

ここでは、すでに作成済みのアプリにExcelデータを追加する方法を解説します。Excelにまとめた顧客データや住所などのデータを追加・更新するときに便利です。データを追加したいアプリを開き、画面右上のオプションボタンから「ファイルを読み込む」を選択します。

「参照」をクリックし、データを選択するとアップロードが開始します。アップロードが完了したらプレビューでデータが正しく表示されているかを確認し、「読み込む」をクリックすれば終了です。

kintoneでExcelのデータを取り込むときの注意点

kintoneでExcelを取り込む前に、以下の注意点についても把握しておきましょう。

Excelを使う業務を洗い出す

まずはExcelを使う業務を洗い出し、現状の課題を掘り下げます。そのうえで、課題解決に向け脱Excelをしたほうが良い業務を、kintoneに移行しましょう。

脱Excelに向いている業務は、複数のメンバーで同時に作業をする、リアルタイムで情報共有する必要がある、大量のデータを扱うなどの業務が挙げられます。

ただし、無理に脱Excelをする必要はありません。例えば、データ集計、分析、グラフや表の作成、マクロや関数による業務の自動化など、Excelが得意とする業務はそのまま使い続けても問題ないでしょう。

アクセス権限の設定が必要

Excelのデータをkintoneへ移行する際、適切にアクセス権を設定する必要があります。社員の個人情報や会社の機密情報の登録時は注意しましょう。付与されなければデータの操作や閲覧ができません。

また初期設定では、「アプリ作成者」にしか「ファイル読み込み」「ファイル書き出し」「アプリ管理」の権限がないため、必要に応じて共有メンバーにアクセス権限を付与する必要があります。

なお、アクセス権はアプリの設定画面から付与することができます。

Excelファイルの形式はExcel2007以降

取り込めるExcelファイルは、形式が「Excel2007」以降で拡張子が「.xlsx」のものです。Excelファイルの形式が「Excel2003」の場合、拡張子が異なり読み込みエラーになるので注意が必要です。

念のためExcelのバックアップをとっておく

kintoneで取り込んだExcelのデータは、1件ずつであれば元の状態に復元できます。しかし、取り込む前の状態に「一括」で復元することはできません。

そのため、Excelファイルを取り込む前に、念のためバックアップをとっておくことをおすすめします。アプリ画面から「ファイルに書き出す」をクリックすることにより、アプリに登録された情報がCSVファイルとして出力されます。

脱Excelを実現するならTOMAにおまかせください!

DX化の推進や属人化の解消などで脱Excelを検討する場合、操作が簡単で導入しやすいサービスが望ましいでしょう。kintoneなら、プログラミング知識を持つ人材がいなくても、ノーコードで簡単に業務アプリを作成できます。

「自社でアプリを作成したいが時間がとれない」という場合は、ぜひ、TOMAの「kintone導入支援サービス」をご活用ください。Excel業務を単にシステム化するだけでなく、長年の経験と実績に基づいた最適な業務フローをご提案します。料金は定額制で開発期間も短いため、トータルコストを大幅に削減できます。

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また、相談につきましては、以下無料相談・お問合せよりご連絡ください。