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【DX推進の第一歩】自社の「現状把握」がDXの成否を決めるカギ

記事作成日2025/07/25

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本格的にDX推進に乗り出す際、「まずは何から手をつければ良いのか?」を迷うケースが多いです。手順を間違えてしまうとせっかく導入したDXがうまく機能しなかったり、逆に業務効率が落ちてしまったりすることもあります。今回は、DXを推進する際に把握すべきことを解説します。

DX推進で最も大切なのは“現状把握”

会社のDXを推進する際にまず行うべきは自社の現状を正確かつ詳細に把握することです。では、なぜ現状を把握することが最も大切だと言えるのでしょうか。理由としては大きく分けて、以下の2つが挙げられます。

【理由1】取り組むべきテーマを明確化するため

DXを推進する際に、何を優先的に取り組むべきかは会社によって異なります。現状を把握すると様々な課題が浮き彫りになるはずです。特に、以下のような課題がよくあがります。

【業務効率課題】作業にミスが発生しやすかったり、業務が複雑で時間かかっていたりする。
【レガシーシステム課題】過去に導入したシステムからの脱却ができずにDX推進の弊害になっている。
【社員の意識、企業文化課題】デジタル技術に疎い社員がネックとなり、DXが進まない。

数ある課題の中から最も効果の高いテーマは何かを明確にすることも大切です。DXは一部署だけでなく、広い範囲での取り組みが必要になるため、優先順位を決めて取り組むようにしましょう。現場の声を元に取り組みが必要なこともあれば、組織全体にかかわるようなDXであれば、経営層の意思決定が必要になることもあります。

【理由2】改革を効果的に実行するため

自社の業務をしっかり把握することで、従来の業務の延長線上にDXを導入できないか検討することができます。例えば、デジタルに抵抗感のある社員が多い企業では、DXによりこれまでの業務フローを大きく変えるのではなく、小さな変化からスタートした方が受け入れられやすくなります。

また、自社に最も必要な改革は何かを特定し、実現可能性の高い計画を立てることにも現状把握は欠かせません。DXを推進することで業務を何%効率化できるか、競合他社との優位性を確立できるかなど目標を設定することも大切です。

DX推進に必要な“現状把握”の方法

では、どうすれば自社の現状を正確に把握できるのでしょうか。現状把握には以下の方法があります。

業務のフローチャートを作成する

複数の部署がそれぞれのやり方で業務を進めている企業や、複数の営業所がある場合、どんな流れで業務を進めているのか、全容を把握できていないケースは多いです。

自社の業務がどんな流れで行われているか、棚卸しを行い、フローチャートを作成することで現状把握ができます。実際に行うと、重複業務などDX以前の無駄な作業や非効率な業務が見つかることも少なくありません。フローチャートによって「見える化」した課題が新しい業務フローの検討材料になります。

自社に蓄積されたデータを活用する

売上や在庫など長年蓄積されたデータを詳細に分析することで、業務の効率化に対する課題を見つけることができます。経理、営業、総務など部署によってデータが共有されておらず、ある部署では昔から問題だと感じていたことが他部署では気づいていないというケースもあります。

社員へのヒアリングを実施する

実際に業務にあたっている社員からのヒアリングや、お客様から寄せられた問い合わせなどに目を向けてみるのも一つの手段です。業務フローの作成やデータ分析からは見えない生の情報が得られます。

DX推進のために自社の何を把握すべきか

では、現状を把握するとは、何を把握することなのでしょうか?まずは以下の内容を確認してみてください。

利用中のシステム

現在、自社でどんなシステムを使用しているのかをリストアップし、全体像を把握することも大切です。システムを洗い出すことで、重点的に取り組むべき領域を特定できるからです。例えば、複数のシステムを利用している場合、それぞれの費用や更新時期を確認すれば、IT投資の計画を立てやすくなるでしょう。また、システム同士の関係性やデータの流れを把握することは、効率的なDXに欠かせません。

自社のDX推進状況

すでにDXを推進している場合、経済産業省が公表している「DX推進指標」で自己診断を行ってみましょう。35項目に回答することで、今後やるべきことや強化すべき項目が明確になります。自社のDXの現在地を確認することにも使えるので、年に一度「DX推進指標」を行うのもおすすめです。

導入したシステムの稼働状況や効率化の状況だけでなく、経営や組織の視点から自社を把握することも重要です。DXに対する認識、ビジョンが全社に共有されているか、新たなDXに取り組める環境が整っているかにも注意しましょう。

DX推進における現状把握の事例

実際にDXを推進する際、どのような現状把握を行うのでしょうか。2つの事例を紹介します。

【事例1】ペーパーレス化実現に向けた現状の把握

この企業では、紙の管理が基本となっており、ペーパーレス化を課題としていました。経理部門のテレワーク化を実現したいという思いもありましたが、伝票を印刷して社内に回覧しなければならないなど、旧態依然のフローが多く不可能でした。DXをするにも何から手をつければ良いかわからないということでTOMAに相談が寄せられました。

まずは経理業務フロー図、経理システム俯瞰図を作成し、目的達成に何が必要かを明確化しました。そして、現行会計システムの機能一覧表を作成し、どんなシステムにすればペーパーレス化を実現できるか、社員が出社しなくても業務を遂行できるかを洗い出した上で、新しい経費精算システムを導入しました。

このように、実現したいこと(この企業では第1にペーパーレス化、第2に経理のテレワーク)を明文化したら、現状をしっかり把握した上で何をすれば実現できるのかを「見える化」することが重要です。

【事例2】基幹システムの入れ替えに伴うシステム再構築

基幹システムの入れ替えを行う時にも現状把握は重要になります。

保守期間の満了や大規模な更新があった際には多額の費用が発生したり自社の業務に合わなくなったりする場合があるため、他社システムへの入れ替えも含めて慎重な検討が必要です。TOMAではこのようなきっかけで、できるだけ費用を抑えつつ、より自社の業務に合ったシステムを選定したいといったご相談にも対応しています。

基幹システムの入れ替え検討にあたり、まず業務の流れを可視化しました。業務の流れをきちんと見直すことで、カスタマイズを最小限にして、既存ベンダーに依存しすぎないシステムとするためです。

そして、業務の流れを整理する中で出てきた、次期システムで実現したいことや現状の課題などをまとめて提案依頼書を作成しました。提案依頼書は複数のシステムベンダーへ提出し、比較検討を重ねることで費用は抑えながらこれまでの業務を問題なく遂行できる基幹システムを導入しました。

DXの推進、自社の現状把握に困ったらTOMAにお任せください

TOMAではDXの推進を検討している企業のサポートを行っています。自社の現状を把握したいお客様には、長年の経験に基づいたツールやノウハウをご提供します。また、丁寧なヒアリングを通して現状を可視化するお手伝いや、過去のDX推進事例から一社一社に適したアドバイスを差し上げます。初回相談は無料ですのでお気軽にこちらからお問い合わせください。

今回紹介したDXに関するサービスの詳細は以下よりご覧いただけます。

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