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RPAとは?業務改善のプロが初心者にもわかりやすくRPAでできること、メリット、導入事例を解説!

記事作成日2021/12/01 最終更新日2022/06/29

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経理が劇的に変わる!プロが教える業務改善お悩み相談室
第1回「RPAとは何か?どんな事ができるの?」

業務改善のプロが企業の悩みに全力で答える相談室。このシリーズのテーマは「RPA」です。経営者や、経理をはじめとする業務の効率化を図ろうとしている担当者、人事担当は一度は聞いたことがあるワードではないでしょうか?

ただ、業務改善のコンサルを続けていると、RPAという名前は聞いたことがあっても、詳しい内容は分からない方が多いようです。そこで、この記事ではRPAとはそもそも何なのか、そしてどんなことができるのかについて解説したいと思います。

経理をはじめホワイトカラーに革命をもたらすRPA

はじめまして、TOMAコンサルタンツグループ株式会社ITコンサル部の田中嘉浩と申します。入社以来、バックオフィスのプロとして経理改善コンサルティングをメインに行いながら、勤怠→給与→人事まで、一連の流れを連動させた業務効率化を提案し続けています。

モットーは『現状維持は退化』。常にクライアントファーストで中小企業のIT化を推進しています。今回のブログでは、私がこれまで携わった、100社を超える業務改善の実績・ノウハウをもとに、現在注目を集める『RPA』について、企業から多く寄せられる質問や悩みにお答えしていくつもりです。

第1回目となる今回は、RPAを使うと、何ができるのか?を説明したいと思います。そもそものお話になりますが、私が実際に中小企業の経営者の方とお話をしていると、「なんかRPAって便利なのがあるらしいね」くらいの認識の方が大変多いように感じます。つまり、(1)名前だけは聞いたことがある、(2)導入すると便利らしいという認識はあるけれど、具体的に何ができるのかはわかっていないようです。

私はお客様から「RPAって何ですか?」と聞かれたら「ホワイトカラーの業務に特化した自動化ツール」と答えます。

RPAは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略で、アメリカで生まれたシステムです。日本に導入されるようになったのは2000年代と言われています。デジタルレイバー(仮想知的労働者)と呼ばれることもあり、RPAを一人の社員として認知し、社員証を発行する企業もあるそうです。

RPAは人間が普段オフィスで行っている業務を代行してくれるロボットと言い換えても良いでしょう。「本当にオフィス業務をロボットができるの…?」と思う方もいるかもしれませんが、自動車産業をはじめとするブルーカラーの現場を想像してみてください。ロボットはすでに産業の中核を担う必須ツールであり、人間はロボットを管理するのがメイン業務となっています。ロボットの活躍の場が、ホワイトカラーの職場にも広まりつつあると考えてもらえると良いでしょう。

RPAの市場規模は毎年130〜140%の割合で拡大しており、今後しばらくの間、この流れは増加することはあっても減少することはないでしょう。近年、RPAがこれまでにないスピードで定着しているのは、政府主導による働き方改革の推進や、新型コロナの蔓延によるテレワークの導入が一因にあります。

一方で、RPAを導入しているのは大企業や自治体が多く、中小企業では導入が進んでいないという課題があります。私は、中小企業でRPAの導入が進まない原因は大きく2つあると考えています。

【1】RPAが何か、しっかりと「理解」できていないから。
【2】システムの導入に一定の「費用」がかかるから。

つまり、よくわからない高額なシステムに投資はできないということでしょう。

RPA市場規模と現状の図解

費用については次回以降で詳しく解説する予定なので、今回はRPAがしっかりと理解できるよう、どんなことができるのかについて解説したいと思います。

RPAはロボットではなく、労働者と考えよう!

では、「RPAができること」とはどんなことなのでしょうか。私たちが普段、オフィス内でおこなっている業務は大きく3つに分けることができます。

【感覚型】
長年の経験や知識の中から取捨選択する、高度な判断を必要とする業務。コツ、カン、ノウハウが必要で、業務手順が可視化されていない業務。

【選択型】
一定のパターンに沿って判断する業務。判断する材料にベテランの暗黙知などは必要ない。

【単純型】
誰がやっても同じ単純作業の繰り返し業務。

私たちが普段行っている業務は、感覚型が約13%、選択型と単純型が約87%と言われています。これは製造業やサービス業、飲食業など、どんな業種においても大差はありません。

RPAは選択型と単純型の業務を代行することができます。つまり、業種によって多少の差はあるが、PCを使う選択型・単純型の業務はRPAで全て自動化が可能ということです。

しかし、自動化したいと思っている業務が感覚型なのか、それとも選択型・単純型なのかわからないという場合もあるでしょう。 そんな時にはぜひ私、田中宛にお問い合わせください。これまでの実績、ノウハウをもとにお答えいたします。

RPAでできることの図解

RPAで自動化可能な業務の例

数ある選択型・単純型業務の中でも、経理や財務における単純作業はRPAの得意分野です。私がRPA導入サポートを行う中で、よく自動化する業務にネットバンクへの入金作業があります。入金金額にズレが発生しないよう、人間による2重3重のチェックが発生しやすい業務です。

例)
作業1:請求書や発注書の数字や名称を基幹システムに人間が手動で入力。
作業2:その金額が合っているか、経理部長が目視で確認。
作業3:振り込みを実行する際、第三者が最終確認

以上のように、3人の人間が関わり、同じ業務を遂行することが多いようです。RPAを使えば、請求書のデータの読み取りから全て自動化が可能になります。その際、人間の作業は、受け取った請求書の数字が正しいかどうかの確認だけです。

【経理財務でのRPA導入事例】
・受注伝票、請求書、支払依頼書の入力や送付
・銀行取引明細のダウンロード、入金入力
・固定資産台帳登録
・各部予算の回収/集計
・取引先、為替レートなどのマスタ情報の登録
・週次、月次レポート作成

【人事でのRPA導入事例】
・従業員のスキル、個人情報登録
・給与支払情報入力
・年末調整情報入力
・福利厚生情報の入力
・新入社員情報入力
・研修情報登録、配信

【調達業務でのRPA導入事例】
・購買要求の作成
・発注処理依頼
・契約書の作成、修正
・発注明細レポート作成
・エイジングレポート作成
・取引先との納期調整

【共有-IT関連でのRPA導入事例】
・サポートデスク業務
・ユーザー管理
・タスクスケジュール管理
・インシデント管理
・インフラサポート業務
・バックアップ管理など

自社を省みてださい。従業員の中に選択型・単純型のみに従事している社員はいませんか?その場合、従業員の業務をそのままRPAに置き変えることも可能です。時間の空いた従業員には、感覚型の仕事を任せることで自社の生産性向上を図れます。

RPAを導入するタイミングの図解

経理をはじめ、新たに人材を雇う予定がある場合は、ぜひ一度TOMAにお問い合わせください。現代は、人を雇うかRPAを導入するかを天秤にかける時代なのです。

RPAはメリット多数!人事・採用における課題の多くを解決する!

RPAに業務を任せることには多くのメリットがあり、その中で最も特徴的なのが「正確性」です。

ヒューマンエラーはどれだけ気をつけていても発生します。ある研究では、人は適度な緊張感の中で業務を行なっていても、1000回に3回はミスをすると言われています。そのミスに気づかないミス(サイレントエラー)が1000回に3回起こると仮定すると、100万分の9がヒューマンエラーの限界と推定できます。

もちろん、これは適度な緊張感の中で行うベストな結果であることを忘れないでください。人間は感情の起伏や体調の変化などでミスの発生確率は上昇します。

世の中、「ヒューマンエラーは必ず起こるもの」という正しい認識を持っている人ばかりではありません。職場でミスが発生すると、その犯人探しが始まったり、ミスを頻発する社員を見下したりと人間関係に亀裂が生じることもあります。

一方、RPAは登録したシナリオはほぼ100パーセントの確率で遂行します。その他にRPAを導入するメリットを挙げると

・どれだけ長時間働いても正確性は落ちない。
・24時間、365日稼働できる。
・退職のリスクがない。
・社員同士のトラブルがない。
・給与・待遇に不満を言わない…etc

RPAのメリットの図解

これらのメリットは人を雇い経営を行う上での勘案材料でもあります。日常業務の中でケアレスミスが目立ち、「生産性が落ちているな」と感じている場合、RPAの導入は大変効果的だといえるでしょう。

中小企業こそRPAの導入を検討すべき!

RPAの導入が中小企業で遅れていることは既に述べましたが、私は人材採用が困難になりつつある中小企業にこそ、RPAは必要だと考えています。特に、地方の中小企業では常に人材が不足している企業が多く、募集を出しても応募がないケースは多いようです。

少子高齢化が進む日本において、労働力人口は減少の一途を辿っており、今後この状況が劇的に改善することは難しいと考えられます。また、大企業や公務員への就職を希望する若者は多く、中小企業が優秀な人材を確保することはさらに厳しい状況です。

東京都をはじめとする大都市に労働力が集中する傾向もあります。総務省統計局が発表した「労働力調査(基本集計)都道府県別結果」によると、労働力人口が100万人を超える都道府県は、関東及び各地方の主要部のみというのが実情です。

RPAは地方の中小企業こそ導入すべきの図解

RPAはこれらの状況を打開する秘策となるシステムです。新しく人材を採用したい、現状の従業員で生産性を向上させたいとお考えなら、一度TOMAにご相談ください。

TOMAは業務改善のプロフェッショナル集団です。RPAを導入することになった場合は費用対効果を検討し、最も有効かつ効率的な業務の自動化を提案します。また、ていねいなヒアリングを実施し『お客さまにとってRPAの導入が本当に必要か?』という観点からサポート。導入しても効果が望めないRPAのご提案は絶対にいたしません!

TOMAのRPA導入サポートの図解

初回相談は無料なので、お気軽にお問い合わせください。また、資料請求やセミナーへの参加も歓迎です。私、田中が親身にそして全力で対応させていただきます!

次回の記事「RPAを使った自動化は簡単に導入可能?業務改善のプロがRPAのよくある相談を解説!」ではRPAは簡単に使えるのか、について解説します。