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IT経営のススメ ~部分最適と全体最適~

記事作成日2017/01/16 最終更新日2023/03/10

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 「いかに優れた部分最適も全体最適には勝てない」

経営学者:ピータードラッカーの名言ですね。今回は、部分最適と全体最適について触れてみます。

部分最適とは

システムや企業組織の中で、それぞれの要素や部署の機能の最適化を図ることを意味します。例えば購買部なら「在庫切れにならないような在庫数の確保」、財務部なら「資金がショートしないように資金調達を円滑に回す」など、自部門の役割を最大限発揮するのが部分最適です。

全体最適とは

システムや組織の全体の最適を図ることを意味しています。全体最適は業務の流れが社内組織全体として管理されるため、過剰在庫や機会喪失などの問題を減らすことが可能になります。

部分最適と全体最適、どちらが大切か?

答えは言うまでも無く、全体最適です。全体最適が出来なければ資金が回らず利益を出せません。すると企業が倒産し、部分最適も図れなくなるからです。

 誰でも分かる回答なのに、全体最適より部分最適に走るのは何故でしょうか?

 なぜ全体最適を考えずに部分最適を行おうとするのか?

・経営者の観点
 利益の獲得は長期的に捉えます。そのため、5年・10年先のビジョンを見据えて新規顧客獲得を重視します。また、投資を伴う案件については全社最適の視点で費用対効果を慎重に判断し、なおかつ投資額を必要最小限にとどめたいと考えます。

・従業員の観点
 利益の獲得は短期的に捉えます。個人・自部門の目標を達成するために日々奮闘しているため、1年単位で物事を考えがちです。そのため、新規顧客よりもまずは既存顧客に対しての売上確保を優先する傾向にあります。

まとめ

従業員は部分最適を追及するのが仕事であり、経営者は全体最適を追及するのが仕事です。視点の違いがあるため、経営者の考えは従業員には理解しにくいのです。そのため、経営者はそれを前提条件として理解していなければ、従業員を動かすことができないのです。

TOMAでは、中小企業を中心に社員を直接指導して合理化してきた実績があります。是非一度ご相談頂ければと思います。