◆本来の目的を見失った分析データ
前回は日頃利用している書類に無駄はないかを検証する方法を解説しました。書類以外で、よく無駄が隠れていると言われるのが「データ」です。本来、市場調査データや、顧客の問い合わせ・苦情をまとめたデータなど、活用の目的に沿って有効に使われれば、生産性向上を図ることができます。かつてユニクロは100万円という賞金を出して、苦情を集め、業務改善を果たしたことは有名です。
しかし、データを専門的に分析できる人材がいない、次々と最新のデータ・情報が更新され分析を実行に移せないなど、まとめたデータが上手く活用されていない可能性はないでしょうか。データを集めるにはコストがかかりますし、データを加工するのにはある程度の工数がかかります。「昔から集めているものだから」「データは無いよりはあった方がいい」といった本来の目的を見失っている場合は、データの活用方法を再検討すべきでしょう。
前述もしましたが、データ分析は生産性向上を図る上で有効なツールです。自社の行っている業務、サービスに落とし込み、新たな戦略を図る上で欠かせません。そのため、目的さえ見失わなければ時間をかけてでも取り組むべき業務です。もし無駄がある場合は、排除するのではなく、どう上手く活用できるかを考えた方がベターでしょう。
◆重複作業
長年業務を行っていると、各部門がそれぞれの環境変化に応じて、独自の取り組みを行っていることがあります。この際、各部門において同じような業務の重複が発生しているケースが少なくありません。重複をチェックするには各部門の「業務棚卸表」を参考にする、あるいは業務の一覧表を作成するといいでしょう。重複が発見された場合、重複によるロスが生じているかどうか、情報伝達に置ける意識のズレが発生していないか、業務過多による負荷が生じていないかなどの視点で業務を検証します。部門で行われる機能の排除を検討する、機能を一部門に統合するといった対策をすることで、業務の効率化を図れるでしょう。