ブレーンストーミング、ブレーンライティング、シックス・ハットなど4回にわたりアイデアの発案方法を解説してきました。たくさんの業務改善案の中からどうすれば良案を導き出せるのか、改善案の良し悪しを決める基準はどのように見分ければ良いのでしょうか。今回はアイデアを絞る方法を解説したいと思います。
-
改善アイデアを見極める基準
会議で出たアイデアの中には明らかに実現不可能なものを除き、ある程度可能性が認められるものを書き出します。次に、「効果がどの程度見込めるか」という視点で書き出した案を評価します。業務改善のプロジェクトを担う一人一人が3〜5段階の得点をつけると良いでしょう。
次に、それぞれの案が「どれだけ実現の可能性があるか」という視点で同様の評価を行います。実現性を判断する基準は以下になります。
■業務改善にかかるコスト
新しいシステムや機材を導入する場合、どれだけの費用を投資しなければならないか。
■ランニングコスト
改善アイデアを維持するために継続的にかかる費用はどのくらいか。
■改善に対する困難度
大きな変更点が出るほど、現場は混乱します。これまでの業務にあったルールや、長年続く慣習にどれだけ影響が出るか。
■部門間の影響度
自部門だけにとどまらない改善案の場合、他の部門にどれだけの協力を仰がなければならないか。そもそも協力を得ることができるのか、その難易度。
以上の4点を考慮しながら評価を行います。また、改善案を評価する段階になると、改善案に足りないものが見えてきます。例えば、「生産性を向上させるためにはどうするか」という問題に、「作業の効率化を図る」という意見では抽象的すぎて評価ができません。こんな場合には、アイデアの詳細を詰めていき、何をどうすることで作業が効率よく回るのか、意見に肉付けをしてより具体的な改善案へブラッシュアップします。
「有効性」と「実現性」、どちらの評価も高い改善案の中から実際に採用する案を決めます。