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営業管理を徹底させて経営課題の解決を図る!

記事作成日2020/03/25 最終更新日2021/01/22

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業務改善・ITの活用方法

「社員を信じる」ことはもちろん経営者にとって大切です。しかし、それだけで安定した会社経営ができるかといえば答えは「ノー」です。一昔前と違い、営業は個人の能力に任せるのではなく組織単位で戦略を立て、目標達成のために力を合わせることが重要になりつつあります。このためには適度な営業活動の管理が必要です。今回は営業管理について徹底解説したいと思います。

営業管理とは?

「社員は頑張ってくれているけど売上が伸びない」そんな悩みを抱えていませんか。その原因は営業管理がうまくいっていないからかもしれません。

営業管理とはその名の通り現場で働く社員の営業活動を見える化し、マネジメントすることです。

長年の「勘」や現場のあいまいな「感覚」に頼らずに、正しい情報を元にPDCAを回すことで、個人の能力に頼らない営業力を身につけることが営業管理の大きな目的です。取り組む際には以下の順に行いましょう。

まずは、どれだけの売上を目指すのか目標を明確にします。
次に、どんな流れで営業活動を行うと目標を達成できるかの道筋を作ります
第3に、その道程に沿って営業活動が行われているか、進捗を明確にします。
最後に、営業活動を見直し、達成した成果、失敗から得た教訓を次なる経営戦略に役立てます

なぜ営業管理が必要なのか?その役割・目的とは?

営業とは利益を得る目的で、継続的に事業を営むことを指します。営業管理を行う理由はこれと同義です。つまり会社の利益を最大化させることを目的としています。

日本の営業は、一昔前までは個人の人柄や能力に頼るところが多い傾向にありました。数名の「トップ営業」と呼ばれる人材が、会社を支える売上を出し続ける。そんな会社経営が常態化していました。終身雇用が当たり前の時代ではそれでも通用していましたが、現在では1つの企業にこだわらない、多様な働き方が広まりつつあります。

「トップ営業」が定年まで自社で働いてくれる保証は全くありません。そのため、チームで動き、個人の力に頼らない営業活動や、個人の行動を管理し、誰もが一定の成果が出せるよう営業が求められています。

この考えに基づいて生まれたのが営業管理なのです。

営業活動の進捗管理を怠るとどんな問題が起きる?

どんな企業でも、一定の営業管理は行なっていると思います。しかしあいまいな営業管理は会社の経営を揺るがす大きな問題を引き起こす可能性があります。
では、営業管理を疎かにすることで、どんな問題が起きるのでしょうか?

  • 情報が不十分で目標が立てられない。

例えば、各営業が1日にどんなタイムテーブルで動いているのか。もう限界なのか、それとも余裕があるのか。営業の行動情報がわからないと、次年度に、同じ面子で営業量を増やしていいのかどうかもわかりません。
売上も同じです。顧客の予算がいくらなのか。それを営業が把握しているのか、していないのか。アップセルを狙う隙があるのかないのか。担当営業だけが把握していても、管理職や経営層が情報を知らなければ、綿密な経営戦略や、5年後10年後を見据えた中期計画も立てられません。

  • 共有すべき情報がブラックボックス化し、トラブルの原因になる

顧客の要望やNG提案など、共有されるべき情報を、担当営業だけが把握していると、担当が変わった時にミスやトラブルを引き起こす可能性があります。最悪の場合、失注という結果にもなりかねません。

  • 人材育成がうまくいかない、時間がかかる。

属人的な営業活動が常態化して、一人ひとりの行動がバラバラだと新入社員もOJT( On the Job Training )で仕事を覚えるしかありません。失敗を繰り返しながら少しずつ力をつける方法が悪いわけではありませんが、1人前になるのに時間がかかります。また、前述もしましたが、1人前になった営業が定年まで働いてくれる保証は以前よりも低くなっています。そんな時、自社の営業ノウハウがしっかりと蓄積されていれば、模範事例を参考に新人の素早い成長が期待できます。

  • 売上が安定しない

個人のスキル頼りの営業では、安定した売上が見込めません。トップの営業が突然親の介護を理由に辞めてしまったら…。営業部でインフルエンザが蔓延し、顧客のことがわかる担当営業が出勤できない状態になったら…。
個人に頼った営業活動は、環境やモチベーションの変化に大きな影響を受けます

営業管理にはどんな方法があるのか?

営業管理の大切さがわかってもらえると、次に浮かぶのは「具体的な管理方法」ではないでしょうか。
営業管理は大きく4つにセグメントされます。

① 目標を設定する「ギャップ管理」
② 顧客情報を共有する「案件管理」
③ 営業活動を全体で把握する「行動管理」
④ 営業の意識を高める「モチベーション管理」

【ギャップ管理】営業活動の売上目標などを明確にする

当然ですが、営業活動は闇雲に行うものではありません。ギャップ管理とは、詳細な情報管理・共有によって実現可能な数値目標を立てることです。そのため、ギャップ管理は目標管理とも呼ばれます。

立てる目標は売上だけにとどまりません。売上金額に対する粗利率や同業他社と比較した際のシェア率などの目標設定も重要です。また、営業一人が週、月、年間に何件のアポイントを取るべきか、何回顧客を訪問すべきか、何件の契約を目指すべきかといった一人ひとりの目標数値も設定します。
「そこまではやりすぎでは…」と思うかもしれませんが、これは各営業を罰するために行うのではありません

例えば、営業のAさんは、他の営業に比べて、顧客訪問数が圧倒的に少なかったとします。それでも売上目標が達成できていれば問題ないのかもしれませんが、売上が達成できていない場合、顧客訪問が、Aさんの苦手な業務(ボトルネック)だと予想できます。

管理職は、その情報がわかれば顧客訪問が得意な営業Bさんとチームを組んでAさんの営業活動をフォローしようという計画を立てたり、訪問のコツをアドバイスしたりすることができます。

このように細分化した目標は各営業の課題発見と、改善活動に役立てることができるのです。しかし、いきなり「全営業の行動を逐一管理します」といっては反発も起きるかもしれません。その場合、KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)を示し、営業のあるべき姿を共有することが大切です。

また、目標の設定は職歴や実績を鑑みて、各個人で異なると思いますが、頑張れば達成可能な目標を立てることも重要です。あまりに現実とかけ離れた目標は「こんなの最初から無理」と営業のモチベーションを下げる要因にもなってしまうからです。
経営層・管理職が営業管理の意図をしっかりと伝える必要があります。

【案件管理】売上成績が確実に出るように顧客管理を徹底する

目標が定まれば次はターゲットとなる顧客の管理、つまり案件管理に移ります。自社の商品・サービスを効果的に提案し、受注を勝ち取るまでの道筋を作ることが目的です。そのために必要なこと何でしょうか。

顧客ごとの担当者、連絡先、課題、趣味趣向、予算、競合の有無などを一元管理し、営業全体で共有することが必要です。担当ではない営業が「すべてを把握しなければいけない」というわけではなく、「調べればわかる」状況を作ることが大切。顧客情報が全体共有できていれば、担当営業の不在時に顧客から連絡がきても対応可能になるからです。

また、受注までの道筋で現在地はどこなのかも、可能な限りリアルタイムで共有する必要があります。なぜならば、進捗が計画よりも遅れていれば、担当営業にアラートやアドバイスをしたり、チーム全体でフォローしたりといった施策が取れるからです。のろのろと営業していて、他社に先を越されたでは話になりません。目標達成のために、案件の情報共有は大変重要なポイントだということを肝に命じておきましょう。

リアルタイムな更新をする場合は、クラウド上で顧客管理ができるSFAやCRMといったシステムを使うことが有効です。

【行動管理】的確な営業活動を行うため、顧客の訪問回数までしっかり管理

ギャップ管理で定めた個人の設定目標がどれだけ達成できているか、日々の業務でどんな営業活動を行なっているか管理するのが行動管理です。各案件に対してどんなアクションをいつ、どれくらいの時間をかけて行なったのかを管理・分析します。
タイムマネジメントと日報を合わせたようなものをイメージしてもらえば良いかと思います。

行動管理は営業本人にとっても自己を振り返るために有効ですが、経営層・管理職に大きなメリットがあります。受注までの流れ、進捗状況がわかるだけでなく、顧客に対してどんなアプローチをしたかもわかるため、部下とのコミュニケーションや的確なアドバイスができるようになります。

注意点をあげると、大雑把な性格の営業は日々の日報やタイムマネジメントに対して手を抜きがちだということです。行動管理は営業の正直かつ正確な情報入力がキーとなることを忘れないでください。また、行動管理は結果よりもプロセスが重要です。担当した「案件数」と「受注数」だけにとらわれないようにしてください。

そして、行動管理にはもう一つ重要な役目があります。それは蓄積したデータをもとにした、セールスの必勝パターンを構築することです。「ある業種の顧客にはこの提案が効果的である」など一定のパターンが見つかれば会社の貴重な財産となります。
新人教育や営業力のボトムアップが期待できるので、蓄積したデータは必ず有効活用しましょう。

【モチベーション管理】営業の「やる気」も管理項目の一つ

営業は機械ではなく人間です。体調の良い日もあれば、悪い日もあります。それ以外にも、仕事に前向きになれない理由はたくさんあります。

・頑張っているけど営業成績が伸びない
・残業が続いて疲労が溜まっている
・プライベートで問題を抱えている
・顧客からクレームを受けてしまった…etc

売上を最大化させるために、高いモチベーションを持ったマンパワーが重要なのは、火を見るよりも明らか。「モチベーション管理」を成功させるポイントは、現場営業ではなく、経営層・管理職の行動です。元気のない営業がいたら、行動管理の業務日報をチェックして、面談を行い、悩みを聞いてあげましょう。ランチミーティングに誘うのも良いかもしれません。

仲間に対しても、案件管理と同様に、相手の趣味趣向をしっかり把握できているかは大切です。例えば、お酒が好きではない営業を飲みに誘ってもモチベーションは上がりません。それどころか、上司のことを嫌いになってしまうかもしれません。また、パワハラ、モラハラ、セクハラにも注意が必要です。細心の気配りと周到な準備をした上で部下とのコミュニケーションに臨みましょう。

営業管理は紙(シート)や表計算ソフトよりもSFA・CRMが有効

では、4つの営業管理はどんなツールで行うのが良いのでしょうか。顧客情報はエクセル、売上管理は会計ソフト、業務日報は紙など、管理方法に決まりはなく、うまく運用できるのであればなんでも構いません

近年ではSFA(Sales Force Automation=営業支援システム)やCRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)を導入する企業が増えています。導入には一定の費用がかかりますが、外出先の営業が会社に戻ることなく、リアルタイムに情報更新ができる、顧客の情報を確認できる、入力したデータを基に分析するなどの機能が備わったシステムです。

全国各地に支社があり、多くの営業が活動する規模の企業では、エクセルや紙などの管理よりもSFA・CRMを導入した方が効果的でしょう。

SFA・CRMについて詳しく知りたい方はぜひ、TOMAコンサルタンツグループへお問い合わせください。初回相談は無料で行なっています。

営業活動を数値化・見える化することのメリットは?

最後に、営業管理のメリットをまとめたいと思います。営業管理のメリットは経営層・管理職・現場営業によって異なります。

  • 経営層のメリット

 ①経営戦略の立案
経営戦略を立てやすくなります。顧客情報、自社の営業活動の成果・進捗、市場動向などがリアルタイムに把握できるため、より効率的な戦略立案が可能になります。

 ②ノウハウの共有による人材育成
蓄積されたデータを基に営業ノウハウを構築できれば、スピーディーな人材育成が可能です。また、営業全体の水準が上がることが期待されるため、属人化した営業活動を解消できます。

 ③正当な基準による評価
売上だけではない、通常であれば数値化されないような仕事も見える化されるため、より適正な評価を下すことができるようになります。

  • 管理職のメリット

 ①各営業の行動把握
顧客情報、訪問の詳細や感触、1日の営業行動といった情報を各営業が報告することで管理職は部下全員の行動を把握することができます。SFAなどのクラウドシステムを使えば、売上予測がリアルタイムで共有できるので、営業への指示も的確に出すことができます。

②ミスやトラブルの回避
通常のフローとは異なる営業活動を行なっていたり、進捗の遅れから顧客のクレームにつながりそうな事象を発見できたりします。ミスやトラブルの回避はそのまま顧客満足度の向上にも深く関与するポイントです。

  • 現場営業のメリット

 ①個人の能力に左右されないフローに則った営業活動
勝ちパターンや成功フローが蓄積されていれば、大きな失敗をすることなく、一定の成果を出せるようになります。特に新卒や中途といった経験の浅い人も安心して働くことが可能です。

②正確な情報共有によって得られる的確なアドバイス
難しい案件を担当しているときや、顧客との折衝に困っている時などに自身の営業行動を報告・共有していれば、先輩や上長からアドバイスをもらいやすくなります。また、ミスやトラブルを回避できる確率も格段に上がります

③作業時間の短縮
主にクラウドのSFA・CRMを導入した場合ですが、日報や営業で知り得た情報の共有などは外出先でも入力が可能になります。そのため直行直帰といった働き方も実現させることができ、時間を効率的に使えます

時代の流れに合わせた営業管理を始めましょう

営業管理を徹底することによって、自社の営業力を強化することができます。営業個人の能力、人柄、努力で仕事を受注するようなかつて流行った営業は、今後ゼロにはならないまでも、徐々に姿を消していくことが予想されます。いまだに属人的な営業活動から抜け出せていないという中小企業はすぐに改革を実施すべきです。

営業の業務改善に悩んだらTOMAコンサルタンツグループは全力でサポートしますので、ぜひご相談ください。