本来の目的を見失った分析データ
無駄な業務を探す上で、書類以外でよく無駄が隠れていると言われるのが「データ」です。
本来、市場調査データや、顧客の問い合わせ・苦情をまとめた資料など、データは活用の目的に沿って有効に使われれば、生産性向上を図ることができます。たとえば、かつて、ユニクロは100万円という賞金を出して、苦情を集め、業務改善を果たしたことは有名な話です。
しかし、データを専門的に分析できる人材がいない、次々と最新のデータ・情報が更新され分析を実行に移せないなど、まとめたデータが上手く活用されていない可能性はないでしょうか。
データを集めるにはコストがかかりますし、データを加工するのにはある程度の工数がかかります。「昔から集めているものだから」「データは無いよりはあった方がいい」といった本来の目的を見失っている場合は、データの活用方法を再検討すべきでしょう。

データ分析は生産性向上を図る上で有効なツールです。自社の行っている業務、サービスに落とし込み、新たな戦略を図る上で欠かせません。そのため、目的さえ見失わなければ時間をかけてでも取り組むべき業務です。しかし、もし無駄がある場合は、排除するのではなく、どう上手く活用できるかを考えた方がベターでしょう。
重複作業
長年業務を行っていると、各部門がそれぞれの環境変化に応じて、独自の取り組みを行っていることがあります。この際、各部門において同じような業務の重複が発生しているケースが少なくありません。重複をチェックするには各部門の「業務棚卸表」を参考にする、あるいは業務の一覧表を作成するといいでしょう。
重複が発見された場合、重複によるロスが生じているかどうか、情報伝達に置ける意識のズレが発生していないか、業務過多による負荷が生じていないかなどの視点で業務を検証します。部門で行われる機能の排除を検討する、機能を一部門に統合するといった対策をすることで、業務の効率化を図れるでしょう。
データや請求書など、不要なチェックを減らす
請求書や納品書を顧客に提出する際、当然間違いがあってはなりません。そのため、厳重なチェック体制を敷いているという会社は少なくないはず。絶対に外せない業務ではあっても、業務改善という見地では「重複チェックは生産性のない無駄な業務」にあたります。
テクニカルな技術が求められるようなチェックであれば複数で行うのは問題ありません。しかし、ミスが起こるたびにチェックを増やすという悪循環に陥りたくはありません。ミスを減らす方法は帳票の記入を簡略化するなど、別の方法で対処することも可能なはずです。

帳票やデータの重複チェックの洗い出しには、業務フローから誰がチェックをしているのか、どんな視点でチェックしているのかを洗い出します。同じ視点でのチェックが重複している場合は、チェックの減少を検討します。
契約や請求に関する決済業務も見直し項目の一つです。現場担当者に一任できる業務は移譲できれば、大きな時間短縮、営業の効率化が望めます。
◆会議の無駄をなくす
会議を行う中で無駄と思われるものを削除することは、大変重要なポイントです。生産性のある会議は30分以内と言われています。そのためには、会議に必要なスキルを上げることです。
議事録をとる、議案に対して意見を言う時には否定をするだけでなく、対案を述べ、無駄に会議時間を伸ばさないようにする。ペーパーレス化も効率化に寄与します。会議資料はメールで送信すれば、資料の打ち出し、コピーの時間が省けます。
また、定例会議で毎回出される紙の資料、貯まるばかりで引き出しがパンパンという経験は、多くの人が身に覚えがあるのではないでしょうか。
一人一人の会議に臨む姿勢も大切なポイントです。「自分には関係ない議題だ」、「早く終わらないかなぁ」と思って参加している従業員がいるなら問題です。もしも、本当に議題に関係ない従業員であれば参加させないほうがいいでしょう。
その人間が5人、会議に1時間参加するのであれば5時間分、他の業務をしてもらったほうが効率化を計れます。本来、必要な人材なのに意識が低い、発言を全くしないのであれば意識改革を促す必要があります。
