毎日一生懸命、勤務している人にとって「無駄な仕事はない」と思いたいですが、業務改善をする際には業務の無駄を洗い出し、排除することをまず行います。理由は最も簡単な方法で、コストもほぼかからないからです。無駄な業務がなくなると、他の仕事により多くの時間が割けるようになり、生産性が向上します。不要な業務の削除は業務改善の基本の「き」です。今後は数回に分けて、無駄を排除する方法を解説していきたいと思います。
◆目的に合わない業務を探す
不要な業務を探すとき、まず行うべきは「業務を遂行する上での『目的・目標』に貢献していない業務」を探すことです。例えばコンビニエンスストアのミッション・目的とは何でしょうか。一つに「売上をのばす」ことがあると思います。そのための手段・業務にはどんなものがあるでしょうか。
1.売れ筋商品を欠品させない
2.店内やトイレの清掃を徹底し、清潔感を保つ
3.誰もが心地よい接客態度
4.商品陳列を工夫する
5.クリスマスやハロウィン、バレンタインなど季節イベントでは趣向を凝らしたディスプレイを試みる
6.スタッフの事務室も季節イベントに応じて飾り付ける
1番から5番までは売り上げを伸ばすために効果的と考えられます。しかし、6番は「社員のモチベーション向上」という目的であれば一定の効果が期待できますが、「売上を伸ばす」という目的に関しては効果なしです。
◆形骸化している業務を探す
第2に、昔からやっているからという理由で行っている業務が、現在のシステムではほぼ活用されていないというケースもあります。実績データや作成した書類が有効活用されていない、あるいは目を通している人がいない書類を制作していないか検討してみましょう。「うちではすべての資料を利用しているから無駄な資料なんて一つもない!」と思う場合は、目的に対しての重要度に順位をつけ、下位のもの無くす、あるいは簡略化できないかを検討しましょう。
◆過度な重複業務はないか
第3に、営業部と管理部が部門をまたいだ先で同じ書類のチェックを2重3重で行っていた、というのはよく聞く例です。必要以上のチェック・承認が行なわれている場合には思い切って簡略化しましょう。そもそも2重3重のチェックが行われる原因は何でしょうか。ミスが発生したため、チェック回数を増やしたというヒューマンエラーが原因であれば、自動化やシステムの導入によって解消する可能性があります。