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社長のブログ ~100年続く企業を創る~

今年、もっと良くなるために

記事作成日2026/02/16

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私は昨年「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」を訪れたことで、現状に妥協したり満足したりすることなく、挑戦し続けることの大切さに改めて気付くということがありました。

今期のTOMAのスローガンは、「お客様に新鮮な“うれしい”を!!」です。今年は、より多くの工夫と挑戦を重ね、お客様にとっての新しい価値の創造に取り組んでいきます。

北斎の決意


葛飾北斎という人物について、正直に言うと、展覧会を訪れるまでの私の印象は「有名な富士山の浮世絵を描いた人」という程度でした。

しかし北斎は、人間や風景の他、動物や草花、建物、波や雨などの自然現象、龍のような架空の生き物に至るありとあらゆるものを描き、ジャポニズムというブームを起こしヨーロッパの美術にも大きな影響を及ぼした人物です。1998年、アメリカの雑誌『ライフ』の「この1000年間で最も偉大な業績をあげた世界の100人」という企画では、日本人として唯一ランクインしています。

展覧会は「北斎漫画」という画集を中心に展示されていましたが、現代の漫画やアニメの原点と言われているのが良く分かります。江戸時代後期の絵に、今では当たり前となった漫画の集中線(中心から放射状に広がる線)が描かれていたことには、本当に驚かされました。

北斎が75歳の時に刊行された「富嶽百景」の展示も圧巻でしたが、そのあとがきには北斎自らの半生と決意が語られていました。それは、「七十歳以前の自分の絵は取るに足らず、七十三歳で動植物の骨格や性質を会得できるようになったので、八十歳で益々上達し、九十歳で奥義を極め、百歳で神の域に達し、百何十歳になったらひと筆ひと筆が生き物のように動き出すだろう」というものです。

70歳を超えてなお、貪欲に向上しようという意欲には、本当に頭が下がります。生涯で30回以上も号を変え、93回も引っ越しをしたそうですが、一生を画業に捧げ、決して現状に妥協したり満足したりすることなく、何度も新しい分野に挑戦し、新しいスタイルを確立し続けたのが、葛飾北斎という絵師でした。

初心忘るべからず

「初心忘るべからず」という有名な言葉があります。世阿弥は「花鏡」の中でこの言葉を、3つの初心から説明しています。

一つは「是非とも初心は忘るべからず」で、若い頃の未熟さや失敗をいつまでも忘れずにいることが、失敗せずに正しい道を歩む根本であるという教えです。

次の「時々の初心を忘るべからず」は、若い時から壮年の時代、老後の時代に至るまで、その時々に習い覚えたこと一つ一つを忘れないようすることが大切であるということです。

最後の「老後の初心を忘るべからず」は、人間の生命には終わりがあっても能には完成というものはないから、老後の年齢に似合った芸風を習うことが大切だということです。

北斎があらゆるものを描き、様々な技術を習得し、1人の絵師が描いたとは思えないほど異なる画風に挑戦したのは、まさに「初心忘るべからず」を実践していたということです。何度も号を変えたり引っ越しを繰り返したりしたのは、初心を忘れないために必要なことだったのでしょう。

絵や能の世界に完成という終わりが無いように、会社や経営者としてのあり方にも完成というものは無いのだと思います。完成することが無いからこそ、今より少しでも向上することを目指して工夫を重ね、挑戦し続けることが大切です。そして、その時々の出来事から学んだことを忘れず大切にし、次に伝えていけば、会社も、経営者としても、進歩し向上し続けることができるはずなのです。


会社が良くなっていかない、経営者として成長を感じられないとしたら、私たちがどこかで妥協し満足してしまっているということではないでしょうか。

まず妥協を取り除くこと。そして進歩、向上することを強く思い、努力を怠らないこと。初心を忘れないために何かを新しくしてみること。そうした積み重ねで、私たちの会社も私たち自身も、今年はどんどん良くなっていくことでしょう。


TOMAコンサルタンツグループ株式会社 
代表取締役社長 
市原 和洋
代表メッセージはこちら

<チェックポイント>

□現状に妥協せず、常に挑戦を続けることが大切
「初心忘るべからず」の精神を持つことで、何歳になっても学び成長することができる
会社の未来を切り拓くため、経営者自身が変化を恐れず前進し続けること