連休を利用して大阪万博に行ってきました。
あいにく事前予約の抽選を全て外し、人気のパビリオンには1つも入れませんでしたが、天気には恵まれ万博を満喫することができました。
大屋根リングや個性豊かな海外パビリオンの建物など見どころは沢山ありましたが、一番テンションが上がったのは東・西ゲートで入場者を迎える大きなミャクミャク像を見た時でした。実は今回の万博訪問の目的の一つが、このミャクミャクの写真を撮ることだったのです。
なぜ私がミャクミャクを好きになったのか、その理由を考えてみました。
ミャクミャクとの共通点
ミャクミャクは5つの目玉がついた赤い輪と青い身体の不思議な生き物です。
赤色の部分は生命の象徴である細胞を、青色の部分は変幻自在に形を変える水をイメージしており、「いのち輝く未来社会のデザイン」をコンセプトとする大阪万博の公式キャラクターです。
初めて見た時の印象は、「なんて不気味なんだろう」というものでした。多くの人が同様の第一印象を持ったのではないかと思います。しかし不思議なもので、万博の情報に触れるたびにミャクミャクが目に入り、気が付いたら気になってしょうがない、むしろ愛着を感じ、万博に行ったらぜひ写真を撮りたいと思うようになっていたのです。
ちなみに私はこれまで何か特定のキャラクターにはまったことはありません。ディズニーランドであれば、ミッキーマウスはただ単にあの世界の一部であるという感覚です。そんな私にとってミャクミャクの何が特別だったのか。自分でも言葉では上手く説明できないのですが、きっかけとなったことはありました。
ミャクミャクという名前には、「脈々」と受け継がれてきた人間のDNAや知恵を未来に受け継ぐという意味が込められているそうですが、私がミャクミャクに関心を持ったのは、このことを知ったことがきっかけでした。脈々と受け継ぐということが、TOMAが取り組む100年企業創りに共通すると思ったのです。そう思って改めて見てみると、青色と赤色はTOMAのロゴの色であることにも気付き、一気に親近感が沸きました。
私のように最初は「なし」だと思っていたがいつのまにか「あり」となり、気付いたら好きになっていたという経験が、皆さんにもあると思います。そこには共感を生むきっかけとなるストーリーや背景があるのではないでしょうか。
笑顔が共感を引き出す
しかし、ミャクミャクに魅力を感じている人がみんな、好きになったきっかけを意識している訳ではありません。きっかけなど意識せずに気が付いたら好きになっていたという人が大半だと思います。
そう考えると、私も別にミャクミャクという名前が100年企業に通じるから好きだという訳ではありません。どちらかというと、無意識のうちにミャクミャクを「あり」だと受け入れていて、共通点を発見したことで、より共感が増したように思います。
人間は無意識のうちに脳が好きか嫌いかを判断しており、意識的に判断している訳ではないそうです。だとすると、無意識のうちに人に受け入れられるミャクミャクの特徴は何か。私はそれがミャクミャクの笑顔ではないかと思います。
目が5つもある不気味な生き物であるにも関わらず、ミャクミャクの笑顔には、人の警戒心や嫌悪感を和らげ、共感を引き出すための強い心理的な効果があるのです。一度、笑っていないミャクミャクを想像してみてください。笑顔は人に親しみを感じさせ、ポジティブな感情を抱きやすくさせる強力な感情のコントロール装置なのです。

人が何かに惹かれ、好きなものとして受け入れる時は、実はすでに無意識下で「あり」だと判断しているのです。無意識下で「なし」であれば、いくら共通点があったとしても、好きだと意識することはないでしょう。
まず無意識下で受け入れてもらわない限り好きになってはもらえないのです。人間関係においてもビジネスにおいても、笑顔が大切であることの理由です。
TOMAコンサルタンツグループ株式会社
代表取締役社長
市原 和洋
代表メッセージはこちら
<チェックポイント>
□人は無意識のうちに脳が「あり」か「なし」かを判断している
□笑顔は人に親しみを感じさせ、ポジティブな感情を抱きやすくさせる
□共通点の発見といったストーリーや背景が、共感を増す