10月1日、TOMAの第45期がスタートしました。
午前中に役員みんなで愛宕神社を参拝し、目標達成を祈願。午後は全社員が参加して経営計画発表会と社員表彰を行いました。夜は懇親会で交流を深め、全社員が目標達成に向けて意識を合わせる、とても内容の濃い一日となりました。
『喜んでいただく』までが仕事
私は毎年、5月から毎週開催される次年度会議の議論をもとに、8月の夏休みを利用して新しい期の経営方針を取りまとめるのですが、今年はそのスローガンを「お客様に新鮮な“うれしい”を!」とすることにしました。
このスローガンを考えるに当たり意識したことは2つです。1つは、TOMAにはVISION2029があり、中期計画の方針があるので、それと一貫したものであること。もう1つは、毎週朝礼で社員が唱和するものなので、なるべく社員一人ひとりの思いに働きかけるものにすることです。
このスローガンには、問題解決を通じお客様に喜んでいただきたいという私たちの思い、その思いを大切にし、お客様に喜んでいただけるまで責任を持って仕事をしようという意味が込められています。
どんな会社でも、戦略上、重点化すべき最重要ポイントは、自社の強みが活かせること、他社が簡単に真似できないこと、お客様が価値を感じること、という3つの領域が重なるところにあります。このうち最も重要なのは、お客様が価値を感じるという部分です。他社が簡単に真似できず、自分たちの強みだと思っていることでも、お客様が価値を感じてくれなければ意味がありません。目的は、お客様に喜んでいただくということなのです。
また、お客様にとっての新しい価値と満足の創造がイノベーションであることを考えると、お客様にとっての価値を理解せずにイノベーションが起こるはずはないし、流行に乗って新しいテクノロジーを取り入れたところで、お客様に喜んでいただきたいという思いがなければイノベーションは起きないでしょう。
私たちが得たい成果は、全てお客様に喜んでいただきたいという思いの結果であり、この思いが目標と結びつかない限り、どんな目標を立てたところで達成することはできないのです。
原因と結果の法則
どんなに優れた商品やサービスを持っていたとしても、お客様に届かなければ売上はあがりません。商品やサービスをつくるだけでなく、それがお客様に認知され、買いたいと思った時に物理的に買える状況をつくりだすことがとても大切です。
TOMAは一人ひとりの専門家が集まった集団ですから、社員一人ひとりがその状況をつくるという役割を担っています。つまり、お客様と話をし、会社の状況を理解した上で真のニーズを明らかにし、本質的な問題解決のためにTOMAとして何ができるのかをお客様と一緒に考えるということです。どんなに私たちがノウハウや経験を蓄積したとしても、お客様に届かなければ価値を感じていただくことはできないのです。
『「原因」と「結果」の法則』(ジェームズ・アレン著)に「人間は思いの主人であり、人格の制作者であり、環境と運命の設計者である」という一節があります。人間の行いは、思いという種から芽生えるのです。
お客様に価値を感じていただきたいのであれば、自分たちのノウハウや商品の性能を説明する前に、お客様に喜んでもらいたいという思いを持たなければいけないということです。

私たちの今期のスローガンは、社員一人ひとりが本来持っているこの思いを確認し、大切にすることを狙いとしたものです。スローガンを唱和するだけでは簡単に意識は変わらないかもしれませんが、成果だけでなく原因にも目を向けることが本当に大切だと思っています。経営者は自分の思いを経営方針に込めます。
AIの進化と共に現場力の重要性がますます高まっていますが、社員一人ひとりに経営方針に沿った行動をしてもらうためには、社員の思いという「種」に働きかけるということが重要です。そのために、言葉の受け手である社員の存在を意識し、発する側の工夫がとても大切です。
TOMAコンサルタンツグループ株式会社
代表取締役社長
市原 和洋
代表メッセージはこちら
<チェックポイント>
□会社の戦略上、最も重要なポイントは「お客様に価値を感じていただくこと」
□お客様に価値を感じていただくためには、社員が「お客様に喜んでもらいたい」
という思いを持たなければならない
□社員一人ひとりに経営方針に沿った行動をしてもらうためには、
社員の思いに働きかけることが重要

