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特定派遣からの切替はいつまでにすればいいのか

記事作成日2018/09/04 最終更新日2018/09/27

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暫定的な配慮措置のメリットを活かすなら、2018年9月28日までに・・・

2015年9月30日に施行された労働者派遣法改正法に伴い、2018年9月29日をもって、これまで届出制で派遣業務を行えた「特定労働者派遣事業」が廃止されます。

今まで2種類あった「一般労働者派遣事業」と「特定労働者派遣事業」が一本化され、2018年9月30日以降に労働者派遣事業を行うにはすべて許可制になります。

2018年9月29日までは改正前からの届出による、旧・特定労働者派遣事業を継続することができますが、その経過措置もまもなく終了します。

特定派遣の届出をしていて、2018年9月29日以降も継続的に派遣事業を行う場合は、9月28日(金)までに特定派遣から一般派遣への切り替えの手続きを行う必要があります。期日までに切替の手続きをしない場合は、新規の一般労働者派遣事業と同様の扱いとなり、以下にある配慮措置を受けることもできません。

特定派遣の届出をしていて、今後も労働者派遣事業をする可能性のある方は、以下の暫定的な配慮措置による切替手続きが2018年9月28日(金)までとなっておりますので、ご注意ください。

ただし、配慮措置を受けることができるのは小規模派遣事業主様に限ります。それ以外の方は暫定的な配慮措置ではなく、通常の資産要件での申請となりますので、ご確認ください。

【 通常の資産に関する要件 】

基準資産 = 資産総額 - 負債総額 - 繰延資産 - 営業権(のれん)

  1. 基準資産額が1事業所あたり 2000万円以上
  2. 基準資産が負債総額の7分の1以上
  3. 現金預金が1事業所あたり1500万円以上

【 配慮措置 a 】

*基準資産について

  1. 基準資産が1000万円以上
  2. 基準資産が負債総額の7分の1以上
  3. 現金預金が1事業所あたり800万円以上

*事業規模について

1つの事業所のみで、常時雇用している派遣労働者が10人以下の中小事業主の場合

※暫定的な措置とされていますが、切替後の許可更新時まではこの要件が用いられる見込みとされています。詳細は必ず、厚生労働省または管轄労働局にお問い合わせください。

【 配慮措置 b 】

*基準資産について

  1. 基準資産が500万円以上
  2. 基準資産が負債総額の7分の1以上
  3. 現金預金が1事業所あたり400万円以上

*事業規模について

1つの事業所のみで、常時雇用している派遣労働者が5人以下の中小事業主の場合

※上記の措置は2018年9月29日まで(手続きは9月28日まで)となります。それ以降は、この特例的な措置が利用できなくなるので、ご注意ください。

上の説明のとおり、旧・特定労働者派遣事業届出をしていて、常時雇用している派遣労働者の方が10人以下の中小企業の方は財産要件の配慮措置が利用できますが、2018年9月28日までに手続きが必要です。

各管轄の労働局でも切り替え申請手続きや問い合わせが非常に立て込んでいるため、これから切替の申請をすると審査期間が通常よりも長くかかり、来年以降の許可となっています。

2018年9月28日までに切替の手続きをした場合は、通常の新規許可申請の手続きに比べて提出書類の省略もできます。

《省略可能な書類》

・定款

・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

・代表者・役員の住民票の写し

・代表者・役員の履歴書

労働契約法と労働者派遣事業法の改正により、パート・アルバイトや派遣社員などの有期雇用者については、雇用形態や契約期間についての準備や対応が必要になっていますが、今後の「働き方改革」に対応するために、また、従業員の方々や社会全般の多様化した働き方に順応するためにも、労働者派遣事業許可を活用・維持するという考え方もあります。

期限間際の切替を再度ご検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。