日本において仕事をする際に、正社員をはじめ契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなど様々な雇用形態があります。
就労を目的とした在留資格である就労ビザは、契約社員や派遣社員といった雇用形態においても取得することができるのでしょうか。
■就労ビザ取得の要件とは
外国人が日本で働く場合、必ず就労可能な在留資格が必要になります。就労ビザは、就業する職種によって詳細に分類されており、その種類は17種類あります。
外国人が申請すれば無条件に就労ビザが許可されることはありません。本人の身元を証明する書類はもちろん、雇用先である企業からも必要書類が求められます。
入国管理局によって、雇用先の業務内容と申請内容が照合され、申請内容と実際の仕事内容が異なると見なされてしまうと、就労ビザが許可されないこともあります。書類に不備なく手続きを滞りなく行うためには、外国人本人だけではなく企業側も日本における入国管理法の知識を身につける必要があると言えるでしょう。
■外国人が日本で契約社員や派遣社員として働く場合の就労ビザ
外国人が日本で就労する場合、正社員、契約・派遣社員と言った雇用形態よりも、どのような仕事内容を行うのかが重要になります。
それは、就労先で行う仕事の内容に合った就労ビザを取得する必要があるためです。
または就労制限のない、永住者や日本人の配偶者等として日本に滞在する在留資格を保有していることが求められます。
従って正社員や契約・派遣社員といった雇用形態の違いによる、就労ビザ取得への直接的な影響はないと言えるでしょう。
あくまで、外国人本人が雇用される企業で行う業務内容と、交付される就労ビザの内容に相違がないことがポイントになります。
■外国人が契約社員・派遣社員で就労する場合の注意点
契約・派遣社員の場合、雇用される期間が6カ月・1年などと期間が決まっていることが一般的です。
正社員と比較すると、仕事の安定性や継続性があるとは見なされないのが現状と言えます。
さらに派遣社員の場合は、期間の不安定性に加えて派遣先が変わることで仕事内容そのものが変更となる可能性もあります。
その場合は、取得している就労ビザと就業内容が異なる事態になることも考えられるため注意が必要です。
企業側としても採用を予定している外国人に対して、雇用形態をはじめ契約内容をきちんと説明する必要があります。
また、就労ビザの期限が残っている場合でも契約期間満了により、外国人労働者が失業するケースもあります。
この場合、就労ビザは有効と見なされるため、失業期間中は企業側が発行する退職証明書を入国管理局に提出することで、「資格外活動許可」を得ることができます。
さらにこの許可によって、週28時間以内のアルバイトをすることも可能です。
また、就労ビザの期限が切れてしまったとしても、求職活動を続けていることを入国管理局に申請すれば、短期滞在のビザを取得できる場合もあります。
就労ビザの取得については、雇用形態は直接関係しないものの、採用する外国人の経歴に大きく影響します。
企業側としても、外国人を採用する際にどのような雇用形態で採用活動をすべきであるかを充分に検討する必要があると言えるのではないでしょうか。