外国人が日本で仕事に就き収入を得ようとする場合には、活動内容に応じた就労ビザが必要です。
就労ビザとは、日本で就労する事を目的とした在留資格の総称です。
在留資格にはどのような種類があるのでしょうか。
また、就労ビザを取得するためには、どのような書類が必要なのでしょうか。
■就労ビザの種類
入管法で定められている在留資格は全部で27種類ありますが、そのうち就労が認められているのは、外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習、高度専門職の17種類です。
また例外として、個々の外国人に指定する活動を認める「特定活動」の在留資格では、就労が認められる場合があります。
外国人が、日本で働こうとする場合これらの内、仕事内容に合った在留資格を持っていなくてはなりません。
ただし、永住者やその配偶者、日本人の配偶者、定住者には活動に制限のない在留資格が与えられます。
■就労ビザ取得申請には必要な書類
就労ビザを取得するためには、「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
所属する機関の区分ごとに、また取得したい在留資格ごとに必要書類が定められており、以下のような書類が必要です。
・在留資格認定証明書交付申請書
申請人が作成する部分と勤務先など所属機関が作成する部分があります。
国籍や名前、生年月日の記入に加え、入国の目的を選択します。
また、職種や会社の資本金、年間売上高などを記入する欄があります。
・写真
3カ月以内に撮影された縦4センチ・横3センチの写真が必要です。
・返信用封筒
宛名を記し、簡易書留用に392円分の切手を貼付したものが必要です。
・日本での活動内容に応じた資料
所属機関の区分を証明する書類として、日本の証券取引所に上場している企業なら、四季報の写しや上場していることを証明できる文書の写し、主務官庁から設立を許可されていることを証明できる文書の写しが必要です。
また、所属機関によっては、前年分の給与所得の源泉徴収票などの法定調書合計表が必要な場合もあります。
その他にも、申請する外国人の活動内容を証明できる書類が必要です。
これには、労働条件を記した文書、報酬額を明らかにする文書、卒業証書など学歴を証明する文書、試験や資格の合格証明書、直近年度の決算文書の写しなどが含まれます。
このほかにも、審査の過程で別の資料の提出が求められる場合もあります。
■就労ビザの申請に必要な費用
在留資格認定証明書交付申請には手数料はかかりません。
しかし、申請の手続きは煩雑で、集めなければならない資料も多くあります。
また、外国語で書かれた書類は日本語に翻訳して提出しなければなりません。
そのため、スムーズに手続きを行うため専門家に依頼することもできます。
その場合は、どこまで依頼するかに応じて業者に代行手数料を支払う必要があります。
過去の申請で不許可になったことがあると、専門家への支払が割増料金になる場合もありますので確認が必要です。
海外にいる外国人を日本で就業させたい場合は、外国人を受入れようとする機関の職員やその代理人、申請取次者等が「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
申請後、交付された在留資格認定証明書を海外にいる外国人本人に送り、日本の在外公館で査証(ビザ)を発給してもらいます。
この査証(ビザ)は日本への上陸(入国)許可を意味するものではありませんが、在留資格に関する上陸条件に適合する者として取り扱われるため、上陸審査も簡易で迅速に行われます、
就労ビザに関する手続きは時間がかかりますが、不法就労にならないように外国人本人も、雇入れ側も注意が必要です。