外国人労働者を雇用する際に、雇用理由書が必要と聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。そもそも理由書とはどんなものなのでしょうか。
■理由書とは
外国人労働者は認められた就労範囲外の仕事には就くことはできないため、転職などの際には在留資格の取得や変更の手続きが必要になります。
この手続きを行う際に、入国管理局への提出書類として企業側に求められるものが理由書です。理由書は必ず必要なものではなく、決まった書式などもありません。
しかし、在留資格や就労資格の審査は書面上で行われているため、雇用する企業にとってなぜその外国人が必要なのかを証明することが困難なことがあります。理由書はその点を補足する役割があり、審査にも大きく影響を与えます。
■実質的に必要書類
理由書は任意に提出する書類であると紹介しましたが、理由書が持つ役割や影響の大きさから実質的には必要書類といえます。
企業側はなぜその外国人が必要なのか、雇用することで企業にどのような利益が期待できるのかなどを理由書に書くのですが、具体的な内容を記載することで審査にも影響を及ぼします。理由書を出さなかったことで審査に通らず採用ができなかったということになれば、関連する事業にも影響が出るため、積極的に企業が協力することが大切です。
■記載すべき項目
在留資格や就労資格の審査において必須ともいえる理由書ですが、内容がしっかりとしたものでないとその効果は期待できません。
理由書には書式や記載する事項が決まっていないため、内容は企業ごとに異なるのですが最低限記載すべきポイントを以下でご紹介します。今回は、在留資格が留学となっているものを、就労系の資格に変更する場合を例に考えてみましょう。
理由書に含むべきポイントとしては以下の5点を挙げることができます。
①採用の理由
②その学生の学歴や職務との関連性
③関わる職務の重要性
④事業の継続性や安定性
⑤学生の人柄などの評価
理由書と一緒に、上記の内容を裏付ける資料を提出することも効果的といわれています。
理由書を提出することは、その学生と企業両方にとってメリットが多くあります。外国人雇用を成功させるためにも理由書を活用していきましょう。