外国人を雇用した際に、条件によっては保険(社会保険)の加入が義務付けられていることをご存知でしょうか。ここでは、社会保険と労働保険の観点から紹介します。
■加入が義務付けられている保険
雇用元の事業所が健康保険と厚生年金の適用事業所の場合、使用者は日本人労働者と同様に外国人労働者も健康保険と厚生年金に加入させなければいけません。就労する事業所でこれらの社会保険に加入しない場合は、居住する市町村の国民健康保険と国民年金に加入できます。しかし、不法滞在者は加入することができないため、国内に90日以上在留する場合は、外国人登録が必要です。
■社会保険について
健康保険や厚生年金に加入した場合、一般の日本人と同様に給料の額に応じて保険料を納めます。厚生年金については、保険料が掛け捨てになるという誤解があるため外国人労働者が加入をしたがらないのですが、健康保険と必ずセットで加入になることや、脱退一時金や障害厚生年金による支給が受けられることを説明し加入してもらうことが重要です。
社会保険には適用除外の場合もあります。例えば、船員保険の被保険者、事業所の所在地が一定しない、長期医療制度の被保険者などです。また、パートタイマーや時短勤務の場合も健康保険に加入しなくてもよいと定められています。
■労働保険について
労働者災害補償保険法や雇用保険などの労働保険についても、上記の社会保険と同じく外国人労働者の加入が義務付けられています。労災保険の保険料は使用者が全額を負担するため、労働者がお金を支払う必要がないことが特徴です。雇用保険については、使用者と加入者との間で保険料を折半しそれぞれで負担します。フルタイムや週に20時間以上働いている方で、今後も1カ月以上雇用が見込まれている人は、外国人であっても加入対象になります。
基本的に外国人労働者であっても、社会保険や労働保険は加入が必要です。制度の仕組みや入ることのメリットなどを説明することで、加入してもらうようにしましょう。