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外国人を雇用した場合の所得税と住民税について

記事作成日2016/08/09 最終更新日2021/04/27

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外国人労働者でも所得税や住民税といった税金の支払義務は発生します。居住形態や永住者かどうかで税率は異なるのですが、雇用の際に必要な知識となるので押さえておきましょう。

 ■外国人でも税金を支払う義務がある

給与が支払われている外国人にも税金はかかります。
所得税法では、外国人に対する課税の範囲を日本国内に住所を持っているか、日本国籍かどうか、どのくらいの期間住所を持っているか、という区分により決められています。

居住者とは日本に住所を持っている、または現在まで1年以上住所がある者のことで、それ以外は原則として非居住者となります。
居住者の内、日本国籍がなく、過去10年以内に日本国内に住所を持っていた期間が合計5年以下の者が非永住者、それ以外は永住者となります。

永住者はすべての所得が課税対象となり、非永住者は日本国内で支払われた給料と親会社等から賃金として支払われたお金が課税対象、非居住者は日本国内で得た所得が課税対象となります。税率は非居住者が原則20%であり、その他は一般の日本人と同様です。

 ■外国人の住民税について

住民税も所得税と同様に区分があります。
居住者と非居住者とで区別され、居住者の場合は支払われた所得に対して住民税が課税されます。税率は日本人の従業員と同様です。

一方、非居住者には住民税は課税されません。住民税は1月1日時点で住所を置く市役所役場、または前年の所得に応じて決まるため、日本国内に住所がない外国人や学生で所得がなかった場合などには課税されません。

 ■短期納税者免税制度とは

非居住者の場合、所得税の税率は20%となるのですが、場合によっては免税となることがあります。外国人の出身国と租税条約が締結されていることが前提であり、次の3つの要件を満たすことが必要です。

①滞在期間が183日以内であること
②雇用者が非居住者であること
③雇用主が給与などを費用処理していないこと

であり、これらの要件を満たしている場合は短期納税者税が免除となります。

基本的には日本で働いていて住所を持っている外国人の場合には、日本人と同様に税金が発生します。非居住者の場合には税金が発生しないこともあるため、注意しましょう。