私たちが海外旅行するときには、その国のビザを取得する場合がありますが、似たような言葉で「在留資格」というものがあります。
この両者は同じ意味なのでしょうか?
ここでは、在留資格とビザの特徴や両者の違いについて説明します。
■在留資格とは?
外国人が日本に滞在したり、合法的に活動するための法律上の資格です。
在留資格がないと不法滞在となり、日本では就業などの活動をすることはできません。
違反した場合は、厳罰になり強制退去となることもあります。
■ビザとは?
外国人が日本へ入国する場合には、原則として以下の2つが必要となります。
1.外国政府が発給した有効なパスポートを所持していること
2.日本の在外公館(大使館や領事館)において、有効な日本のビザを受けていること
ビザ(査証:証明する)を取得するは、外国人が日本に入国する前に自国にある日本の公館(大使館や領事館)に申請をし、公館の領事がその外国人を審査します。
その外国人が日本に入国しても問題がないことを確認した旨を、パスポートに表示(査証印)したものがビザとなります。
つまり、ビザがあれば日本に問題なく入国できるというわけではなく、この外国人が問題ない人物だと証明する推薦状のようなものです。
実際に入国を審査して在留資格を許可するのは、日本へ入国した際に上陸審査をする入国審査官です。
したがって、ビザがあっても他の要件を満たしてないなどの問題があった場合は、日本への入国が許可されない場合もあります。
ビザには、外交ビザ・公用ビザ・就業ビザ・一般ビザ・短期滞在ビザ・通貨ビザ・特定ビザ・医療滞在ビザがあります。
また、ビザがなくても日本に入国できる例外として、下記があります。
1.査証相互免除取り決め国の人 … 査証免除協定取り決め国の外国人が、観光などの短期滞在で日本に入国する場合
2.再入国許可を持っている人 … 在留資格を持つ外国人などが、日本を出国する前に再入国許可を取得している場合
3.特例上陸許可の場合 … 飛行機の乗り継ぎ(トランジット)などで日本に立ち寄った外国人など、72時間以内に観光や買い物などを楽しむ場合など
■在留資格とビザの違い
日本では、在留資格のことも混同して俗称として「ビザ」と呼ばれることが多く、「ビザ=在留資格」として意味は通じます。
しかし、実際には在留資格とビザは別物で、完全にイコールではありません。
大きな違いは、ビザが日本に入国するための査証であるのに対し、在留資格は日本入国の際の上陸審査を経て与えられるもので、日本入国後に日本に滞在するための資格であるということです。