グローバルにビジネスを展開している企業は、日本企業と海外にある関連会社の人事異動によって組織をさらに活性化させることができると言えるでしょう。
海外にいる外国人社員を日本に呼び寄せたい時、どのような在留資格が必要になるのでしょうか。
■企業内転勤とは
企業内転勤とは、外国人が日本に滞在するための在留資格の1つで、海外にある外国企業から日本にある関連会社に転勤する場合に取得が必要になります。
上記のような同一企業内の人事異動に伴った転勤の他には、子会社や関連会社などへの出向の場合も企業内転勤ビザの取得が求められます。
■企業内転勤ビザの取得に必要な要件
企業内転勤の在留資格を取得するためには、転勤する直前1年以上継続して現地企業に勤務していることが求められます。
従って採用して1年未満の社員を、企業内転勤のビザで日本に呼び寄せることはできません。
さらに就労先の日本企業においてどのような仕事をしても良いわけではなく、就労ビザの分類の中で「人文知識・国際業務」または「技術」の在留資格に該当している必要があります。
具体的な業務内容として「人文知識」は、経理、金融、会計、コンサルタントなど一定水準以上の専門知識を必要とする文化系の活動、「国際業務」は翻訳、通訳、語学指導、広報、宣伝、海外取引業務、服飾、室内装飾に係るデザイン、商品開発、その他これらに類似する業務とされています。
「技術」については、IT関連技術者、機械・土木建築設計者、新製品開発技術者などの技術者としての活動が範囲となっています。
企業内転勤の在留資格の場合は学歴に要件がないことから、高卒の現地採用社員を日本企業に呼び寄せることも可能です。
なお、報酬については日本人と同等額にしなければなりません。
企業内転勤は期間を定めて日本に赴任する際の在留資格です。
■企業内転勤の他に、海外現地社員を呼び寄せる方法
海外から日本に現地社員を呼び寄せるには、「直接雇用」と呼ばれる方法もあります。
直接雇用とは、名前のとおり日本企業が現地外国人を直接雇用することです。
この場合は、採用する外国人が「人文知識・国際業務」や「技術」などの在留資格を取得する必要があるため、在留資格認定証明書の交付申請を行います。
外国人が日本で働くためには就労の在留資格が必要になります。
企業内転勤と人文知識・国際業務または技術の取得要件は異なるため、専門家のアドバイスを得ながら自社にあった人材戦略をとることが必要と言えるでしょう。