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連結決算の手順・仕訳紹介シリーズ その15 連結財務諸表作成のための税効果会計 Consolidated Statements. How to prepare and present? Part 15

記事作成日2016/11/22 最終更新日2017/01/27

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【はじめに】

今回は、連結財務諸表作成のおける税効果会計についてご説明します。そもそも税効果会計とは?という内容も記載します。

 

【連結財務諸表作成のための税効果会計】

連結財務諸表における税効果会計とは、個別財務諸表において財務諸表上の一時差異等に係る税効果会計を適用した後、連結財務諸表作成手続において連結財務諸表固有の一時差異に係る税金の額を期間配分する手続をいいます(連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針 第2項)。

個別財務諸表にも税効果会計と適用し、連結財務諸表を作成する際にも別途税効果会計を適用するというのはなんとなくわかりますが、そもそも税効果会計とは何か、という疑問が生ずると思います。

 

【税効果会計とは】

税効果会計は、企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額に相違がある場合において、法人税その他利益に関連する金額を課税標準とする税金(以下「法人税等」という。)の額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益と法人税等を合理的に対応させることを目的とする手続であるとしています(税効果会計に係る会計基準 第一より)。

この定義を呼んでも今ひとつわからないと思いますので、筆者独自の解説をします。

 

そもそも

・会計基準=決算書の作成の仕方を定める

・税法=税金の計算の仕方を定める

とされており、会計基準と税法はそれぞれの目的にしたがい別々に定めています。

 

今回は、連結財務諸表、すなわち、連結決算書の作成をテーマとしていますが、法人税など利益を課税標準とする税金の計算は税法に基づいて計算されています。

この税法により計算された、税金の額を会計基準に当てはめて再計算する会計を、税効果会計といいます。

個別財務諸表を作成する場合でも連結財務諸表を作成する場合でも、ともに決算書を作成することに変わりがないので、それぞれ税効果会計を適用することとなります。

 

一般の解説では、“税引前当期純利益と法人税の額等とを合理的に対応させることを目的とする”と説明している例を多く見かけます。

これは、税法に基づいて計算された法人税の額等を会計基準に従って修正して、税引前当期純利益と税金費用を対応させ、決算書の読者に経営成績や財政状態を正しく理解してもらおうとすることを意味しています。

決算書の読者に経営成績や財政状態を正しく理解してもらおうとすることは、会計の目的そのものです。税効果会計は税務署へ納めるべき税金金額を算定するルール(税法)ではなく、決算書を作成するためのルールなのです。

 

詳細は下記のブログをご覧ください。

https://toma.co.jp/blog-toma-singapore/%E7%A8%8E%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E4%BC%9A%E8%A8%88%EF%BC%88deferred-tax-accounting%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F/

 

 

【連結財務諸表固有の税効果会計】

連結財務諸表作成時に税効果会計を適用する対象となる例として、下記の事項が挙げられます(連結財務諸表における税効果会計に関する実務指針第3項、第4項)。このうち、(2)については、前回以前のブログで実例を記載しています。

(1) 資本連結に際し、子会社の資産及び負債の時価評価による評価差額

(2) 連結会社相互間の取引から生ずる未実現損益の消去

(3) 連結会社相互間の債権と債務の相殺消去による貸倒引当金の減額修正

(4) 連結上の会計方針の統一を連結手続上で行った場合に、連結貸借対照表上の資産額(負債額)が個別貸借対照表上の当該資産額(負債額)と相違するときの当該差額

(5) 連結財務諸表作成手続により、子会社の資産及び負債が連結財務諸表に合算されるために生じる子会社資本の親会社持分額及びのれんの未償却残高の合計額(以下「投資の連結貸借対照表上の価額」という。)と親会社の個別貸借対照表上の投資簿価との差額

 

このように連結財務諸表作成時に適用すべき税効果会計は限られてきます。詳細は弊社もしくはお付き合いのある公認会計士へお問い合わせください。

実務においてはかなり複雑な対応が必要なことが多いので、ブログでの説明はここまでにします。

 

 

 

 

 

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