今回は、日本公認会計士協会発表の監査提言集をヒントに、企業の皆様に気をつけて頂きたい海外子会社の不正事例について取り上げ、その対策を記載します。
なお、監査提言集は一般の向けにも開示されています。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/files/0-32-0-2-ippan-20170703.pdf
不正の詳細は本ブログでは記載できませんが、子会社の従業員が証憑を偽造し帳簿外の借入をしていたようです。
一般の皆様は外部監査、例えば公認会計士監査で発覚するのではないかと思われるかもしれません。しかし、公認会計士の監査は人員や予算の都合上、企業の内部統制に依拠してすることが多く、規模の小さい海外子会社まで十分に監査ができないこともあります。
従業員に資金を横領されてしまうことで会社財産が不当に流出してしまい、会社が困ってしまうこととなります。
小さな不正でも積み重ねると大きな金額となります。また、規模の小さな子会社はそのグループ全体から重要視されず、人事異動や内部監査の実施が定期的に行われず、不正ができる環境を作り出していることもあります。
親会社の内部監査人や経理の方を中心に、子会社内部監査ローテーション表などを作成し、3年から5年に一度は現地を訪れて管理状況を確認することをお勧めします。