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減損 日本と国際財務報告基準(IFRS)との違い その1 Impairment (Differences between Japanese GAAP and IFRS) Part 1

記事作成日2016/06/10 最終更新日2017/01/27

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はじめに

シンガポール法人の監査人から、減損(Impairment)という話しを良く聞きます。今回はそもそも減損という言葉の説明と減損をする理由をご説明します。

そもそも減損とは?

噛み砕いて説明しますと、減損とは貸借対照表に計上されている資産の評価をきり下げることをいいます。

・売掛金の評価を下げる場合、貸倒引当金を計上する
・子会社株式の評価を下げる
・固定資産の簿価を切り下げる
・在庫の評価を切り下げる
・のれんの評価をさげる

上記のような資産の評価を下げることを減損といいます

切り下げの原因は、資産を保有していても儲かりそうにないのでお金が回収できないというのも一致しています。会計基準では資産の収益性が低下したと表現します。

会計学を専攻していない方から、資産の収益性が上昇した場合は、資産の評価を高くするのですか?と尋ねられることがあります。一見正しそうに見えますが、答えは“No”です。

資産の収益性が増したときは、その分売上の増加、利益の増加となって決算書で表現をされるためです。

企業は手持ち資金を設備投資にまわし、それから得られる売上で投資を回収するというプロセスを繰り返して、利益を増やしていきます。

しかし、手持ち資金を設備投資にまわしたが、それから得られる売上が設備投資額未満の場合(企業の収益力が低下している場合です)、その設備の評価を減額しなければ、損益計算書でその会社の業績の悪さを表現できないのです。

このため、減損という会計が導入されています。

次回

次回は減損会計のプロセスについてお話します。