[小冊子03:海外赴任と外国人雇用]
【はじめに】
今回も海外子会社における不正についてお話をします。
前回の海外子会社の従業員不正に関するブログは下記の通りです。
【不正が発覚したら】
不正が発覚した場合、ただちに社内調査が行われます。しかし、海外子会社の不正調査について、下記の3点がネックになると日本公認会計士協会の調査(上場会社の不正調査に関する公表事例の分析)では指摘をしています。
A 文化、法令等の正しい理解
B 不正が発生した場合のリソースの確保
C 電子データを含む証拠の入手方法の把握
海外子会社で特に考慮しなければならないのでは、Bのリソースの確保です。これは、不正調査をしようとしても、社内で適切な調査メンバーがいない、あるいは海外に派遣できないという懸念をさしています。
このような場合には、現地の会計事務所や法律事務所に調査を依頼したり、彼らと共に調査をすることとなります。ところが、調査に協力してくれる日本人弁護士や会計士が現地にあまりいないという可能性もあります。その場合は、近隣諸国から呼び寄せることとなるでしょう。
【予防は治療に勝る~日々の管理が大切~】
筆者の経験からお話ししますと、従業員不正は長い期間にわたって行われ手いることが多く、内部通報や会計監査、税務調査、取引先を通じて発覚します。
不正発覚のきっかけは内部通報であることが多いのですが、海外拠点では従業員数が少なく、本部との関係も希薄化する傾向があるので、従業員からの内部通報による発覚は期待できません。
そうなりますと、日々の対策としては、
・会計事務所・監査法人に定期的に挨拶にいって、関係を保っておく
(不正の兆候があったときに日本本社に連絡してくれる可能性がある)
・現地の主要な取引先にも定期的に挨拶をしておく
(ビジネス上でも意味があるし、トラブル時に日本にも報告してくれる)。
・前回のブログでご紹介したような検査を実施し、日々の書類の管理状況や帳簿をこまめに作成しているかどうか等、従業員の仕事への姿勢を確かめる
(完璧な対応をされると逆に危ない。不正をする従業員は常に相手を良く見ている)
・私生活について乱れがないか。実際の勤務時間を確認するとよい。
(横領している人はギャンブルに走ったり、高価な買い物をしたり、夜遊びを派手にする傾向がある。また、不可解な出勤をするケースもある)
といったポイントを定期的に確認するのが良いのではないでしょうか。
【不正をする従業員の視点】
不正をする従業員の視点から考えますと、不正ができる隙があるから不正をするのです。
日ごろから牽制(監視)がされていれば、不正をする動機があってもバレてしまうと思いますので、不正行為はしません。
不正をする従業員も入社当時から不正をしようと思って入社しているのではなく、会社として隙を与えているために不正をするのです。
会社を管理している方々は、不正をする側の心理を知っておいた方がいいと思います。
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