第6回目の今回は、シンガポールでのカンパニー・セクレタリーについてお話したいと思います。シンガポール会社法におけるカンパニー・セクレタリーは会社の機関の一つであり、日本の会社法には見られない制度です。日本の監査役とも違う制度です。
カンパニー・セクレタリーとは、取締役会の意思決定が法令に基づいて行われ、会社が法令に準拠して届出や文書作成を行っているかどうかを監視する機関です。
すべての会社が最低1名のカンパニー・セクレタリーを置かなければなりません。また、このカンパニー・セクレタリーはシンガポール居住者である必要があります。
具体的な業務としては
①役員変更、増資等の会社法上の登記事項についてACRA(日本でいうところの法務局や財務局に相当する公的機関、Accounting and Corporate Regulatory Authority)に提出する書類の作成と登記
②取締役会議事録、株主総会議事録などの法定帳簿の整備・保管
③株主総会招集通知などの作成・発送
④発行する株券への署名(シンガポールには株券不発行という制度はございません。)
⑤Common seal(会社の実印のようなもの)の管理
基本的にはACRAへの登記書類の作成及び登記手続を行うこととなります。
また、プライベート・カンパニー(日本の非公開会社のようなもの)のカンパニー・セクレタリーにはシンガポール居住者であること以外の資格要件はありません(上場会社の場合のセクレタリーについては経験年数や公認会計士などいずれかの要件を満たす必要があります)。実際、非公開会社である中小企業については、カンパニー・セクレタリー会社や会計事務所が登録及び業務を代行していることが多くなっています。
日本では社内で議事録を作成するところが多いと思いますので、違和感を少し持たれるかもしれません。会社を設立するにあたっては、このコストも検討する必要がありますね。
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