新事業の立ち上げや設備投資の実行には、資金調達が大きなハードルとなりますが補助金を上手く活用できれば、企業にとって大きな助け舟となるでしょう。
今回の記事では、補助金の基本的な考え方、手続き方法、採択されやすくするためのポイント、さらに中小企業が利用しやすい“オススメの補助金”をご紹介します。
目次
補助金の基礎知識
補助金は魅力的ではあるけれど、自社で補助金申請を進めるのは難しく、活用には至らなかった会社も多いと思います。しかし、2025年度には大型の補助金が新設されるなど、企業成長を強力に後押しする様々な補助金が注目を集めています。まずは基礎知識を押さえておきましょう。
補助金制度の目的と種類
国や地方自治体が、政策目標を達成するために、事業者の取り組み支援を目的として資金の一部を給付する制度。新規事業の創出、設備投資など、様々な目的に対して補助金の募集が行われています。なお補助金には審査があり、要件を満たして申請しても必ずもらえるわけではありません。
■国の補助金 : ものづくり補助金、新事業進出補助金など大規模なものが多く、全国の中小企業が対象となるものが多い。
■地方自治体の補助金 : 地域の産業振興や雇用創出を目的としたものが多く、地域に根ざした中小企業が対象となることが多い。
補助金を利用する主なメリット
・返済不要:原則返済が不要で、事業推進に投入する資金を減らすことができる
・補助金額:数千万円以上の補助金も多く、資金繰りの大きな助けになる
・計画の審査:補助金の審査を通して、事業計画の達成の可能性を図ることができる
注意点
補助金は「後払い」
例えば総額300万円の事業で1/3の補助(100万円)がでる場合は、まず自社のお金で300万円を支出する必要があります。
補助金は目的ではなく「手段」
“補助金ありき”で事業を考えるのではなく“戦略ありき”で考えましょう。補助金はあくまでも戦略実現の「手段」とすることが重要です。
CHECK!「賃上げ」を条件とする補助金に注意
条件の中に「賃上げの実行」が入っている補助金も少なくはありません。この場合「賃上げの実行」は補助金を受けるための絶対条件となり、賃上げしなければ返金の必要がありますので要注意です。
採択の最重要ポイント「事業計画書」
求められるのは「中小は中堅へ、中堅は大手へ」という成長への意欲と成果を示したロードマップ!
どんなに素晴らしいアイデアや効果的な設備投資でも、事業計画書でその事業の将来性や実現可能性がわかりやすく伝えられなければ採択されません。

補助金申請の流れと注意点を解説
まずは様々な補助金の趣旨を理解し、自社の戦略に合う補助金を見つける必要があります。補助金によって補助対象となる経費・補助率・上限額などは異なります。以下の点は必ず確認しましょう。
項目 | 確認事項 |
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目的・自社の事業内容 | これから行う事業内容と補助金の目的が一致するか確認する |
補助対象者 | 自社が対象になるのか確認する。また事業所の場所、設備の設置場所などを確認する |
補助限度額 | 一定の限度額があるので注意する |
補助率 | 100%補助されるものは少ない |
補助対象期間 | 対象事業が対象期間内に収まることが必要 |
補助対象経費 | どのような費用が補助対象になるのか注意する |
審査のポイント | 募集要項を確認する。事業の有望性・実現可能性や政策に合致しているか、など |
決定後の手続き等 | 受給の手続き、受給申請の仕方、書類や証憑書類の管理、担当窓口の設置など |
取り消しや返還 | どのような場合に補助金の取り消しになるのか、返還の対象になるか確認する |
申請から補助金交付までの流れ

CHECK① 採択後の書類の提出・確認が重要
採択されたからと言って終わりではなく、計画通りの請求金額で事業準備がなされているかなど、見積書の提出・確認といった調査が行われます。
CHECK② 計画通り事業が行われていますか?
計画に沿った準備したことの報告義務(実績報告)や、事業の活動実態に検査(確定検査)が入る等、交付までの流れの中で厳しいチェックが行われます。
注意点
・補助金の交付後も毎年、業績報告が必要になります。
・万が一、業績を上げられていない場合「返金」を要求される補助金もあるので注意が必要です。
中小企業が検討したい補助金一覧
公募が予定されている補助金の中から、注目の補助金をピックアップしました。事業計画に照らしていただき、事業内容に合致するものや検討したい補助金があれば、お気軽にご相談ください。
中小企業新事業進出補助金 NEW! | |
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このような方に おすすめ |
既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であり、新市場・高付加価値事業へ進出し、賃上げにつなげていくことを目的とする方 |
補助対象経費 | 建物費、構築物、機械装置、システム構築費など |
補助額 | 2,500万円~9,000万円 |
補助率 | 1/2 |
中小企業成長加速化補助金 NEW! | |
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このような方に おすすめ |
売上高100億円を目指す、成長志向型の中小企業で大規模な設備投資を検討されている方 |
補助対象経費 | 建物費、機械装置、ソフトウェア費、外注費、専門家経費など |
補助額 | 5億円 |
補助率 | 1/2 |
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金 | |
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このような方に おすすめ |
中堅・中小企業が、持続的な賃上げを目的に、足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資を検討されている方 |
補助対象経費 | 工場等の拠点新設や大規模な設備投資に係る費用、工場建設、工事、製造ライン、機械装置など |
補助額 | 50億円 |
補助率 | 1/3 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | |
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このような方に おすすめ |
革新的サービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善を行うため、設備投資等を検討されている方 |
補助対象経費 | 機械装置、システム構築費など |
補助額 | 750万円~4,000万円 |
補助率 | 1/2(小規模事業者と再生事業者2/3) |
事業承継・M&A補助金 | |
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このような方に おすすめ |
M&Aを中心とした事業再編、事業統合を含む事業承継などを検討されている方 |
補助対象経費 | 設備費、謝金、外注費、委託費、産業財産権等関連経費、廃業支援費、在庫廃棄費、解体費など |
補助額 | 150万円~2,000万円 |
補助率 | 1/2~1/3(申請要件によって異なります) |
補助金申請は、TOMAにお任せください
補助金申請において、事業の魅力や実現可能性などを正確に伝えるためには、専門的な知識と豊富な経験が必要不可欠です。TOMAグループは認定支援機関*として事業計画書の作成、必要書類の準備、採択後の支援をワンストップでサポートします。補助金の申請は複雑で難しいと感じる方も多いかと思います。そのような方こそ、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
*認定支援機関(認定経営革新等支援機関)とは、中小企業に対して専門性の高い経営支援事業を行う組織として、国から認定された機関。
TOMAの補助金申請支援サービスの詳細は以下よりご覧ください。
申請しようか悩んでいる、気になっているが対応が良くわからないという方はぜひお気軽にご一報ください。経験豊富なコンサルタントがご対応させていただきます。ご相談は以下無料相談・問合せよりご連絡ください。