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浸透していなかった神戸製鋼の経営理念

記事作成日2017/12/11 最終更新日2022/04/20

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昨今、日本の製造業では、法令違反やデータ改ざんを行う不祥事が相次いでいます。なぜこのような不祥事が起こるのでしょうか。品質データの改ざんを行っていた神戸製鋼の不祥事を例に説明いたします。

◆経営理念に反した神戸製鋼

神戸製鋼は、グループ全体で共有すべき経営理念として「KOBELCO の3 つの約束」を、それを果たすため全社員が守るべき誓いとして「KOBELCO の6 つの誓い」を掲げています。

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約束の1 つ目には「信頼される技術、製品、サービスを提供します」とあり、誓いの1 つ目には「高い倫理観とプロ意識の徹底」とあります。しかし、神戸製鋼はこの理念に反し、アルミ・銅製品の品質データを改ざんして顧客に提供していました。

改ざん発覚後1,300 円台を維持していた株価は、805 円(10月13 日終値)まで急落しました。神戸製鋼が社会の信用を失った理由として、経営理念の1 番目に掲げた信頼や倫理観に背き、納期や利益を優先する行動をとってしまったことが考えられます。

◆経営理念に必要なのは掲げることではなく浸透すること

経営理念とは、社会に対しての約束であり、社員が共感して貫き通す信念です。すべての価値観に優先するものであり、絶対に曲げてはいけない会社の誇りと言っていいでしょう。また経営理念はただ単に掲げるだけでなく、日々の経営や業務の中で実践し、社内に浸透させることが重要です。

神戸製鋼は、約束(理念)を守るべき誓いを新たに策定し、浸透させるための取り組みを始めました。これに基づいた行動で、同社が生まれ変わっていく過程に注目したいと思います。TOMAコンサルタンツグループコンサル部では貴社の経営理念を社員に浸透させるお手伝いをさせていただいております。ぜひお気軽にご相談ください。