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ビジネスモデルを理解・共有するための手順

記事作成日2017/03/21 最終更新日2017/03/21

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自社のビジネスモデルを理解・共有し、今後の事業展開を決めていくことは事業を成功させるために重要なことです。今回は、組織内で自社のビジネスモデルを理解・共有するための手順についてお伝えします。

原則として、経営者が1人で考えるのではなく、複数の主要メンバーが集まり議論していくことを前提に進めていきます。

自社を理解するための3つの質問

司会者は、3つの質問を投げかけます。

1.この会社で競争優位となっているものは何ですか?
2.競争優位になっているもののアピールポイントを実現するために、組織としてやらなければならないことは何ですか?
3.この会社が競争優位を築けているのはどのような独自性をもっているからですか? また、なぜ他社はそれを真似できないのでしょうか?

1つ目は、将来の顧客を想像して考えていきます。想定している顧客の関心事や心配事を考え、顧客が自社のサービスを欲しいと思うような明確に差別化されたアピールポイントを考えます。

2つ目は、自社が製品やサービスをどう差別化させる、もしくは他社と同じことをより低いコストで実現させていくかを考えていきます。差別化とコスト優位、どちらが自社の現在持っているコンピタンスを活かせるかを決め、会社としてすべきことを決めます。

3つ目は、競合他社は自社の成功したやり方を見ていきながら、なぜその方法を単純に真似しないのかを考えます。

自社の優位性を明確にする

3つの質問に答えていくと自社の優位性は、差別化されたものがあるのか、価格面で優位性があるのかが判断できます。自社が持っている優位性が【差別化】か【価格面】かを明確にさせた後に、その優位性がどのように収益を生み出しているのかをまとめていきます。
まとめる時には、得た利益が何に投資され、投資されたものが再び収益につながっているか、つまりはなぜ事業が継続していくのかを体系的に整理します。

整理した結果を下記の(1)と(2)の何れかにつながっているかを考えてみます。

(1)明文化されていない組織が持っている強み
・人的ネットワークによるもの
・組織内のプロセスによるもの

(2)既に投資が完了していること
・これまでの評判と培ってきた信用(設備や時間など)によるもの
・法的な守りによるもの
・営業活動によるもの

分析・検証と事業シナリオの共有

最後にSWOT分析(※)などで抽出された強みが反映されているか、弱みが克服されているかを検証し、将来に向けての事業シナリオを構築していきます。

(※)SWOT分析・・・外部環境を強み、弱み、機会、脅威の4つのカテゴリーで要因分析を行う分析フレームワークのひとつです。