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相続税調査事例

記事作成日2018/03/19 最終更新日2019/12/25

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平成29年11月国税庁が平成28年7月から平成29年6月までの間に実施した実地調査(平成26年中に生じた相続を中心とした調査)の状況を公表しました。調査事例からどのような事由で過少申告または無申告として指摘されているのかお伝えしていきます。
その他にこのブログでは加算税が課されてしまった場合の計算方法も記載していますのでご覧いただければと思います。

 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

・平成28年実地調査の件数は12,116件(平成27年実地調査件数は11,935件)
・上記のうち申告漏れ等の非違があった件数は9,930件(前年件数は9,761件)

※実施された実地調査のうち82%以上が申告漏れの指摘を受けている状況になります。

 申告漏れ相続財産及び申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額は3,233億円でその内訳は現金預金等1,070億円、有価証券535億円、土地及び家屋439億円、その他1,189億円となっています。
上記の内訳から現金預金等の申告漏れが特に多いことが分かります。その理由は以下のとおりです。

1.被相続人(亡くなった人)の現金預金等の把握漏れによるもの

調査時に貸金庫から通帳がでてきたなど

2.名義預金の申告漏れ

名義預金とは配偶者や子などの名義になっているが、実際には被相続人が預入れをしていた預金

調査事例

事例1

相続開始日において海外にあった被相続人の預金を申告せずにすぐに解約、その後自らの預金口座に送金していた。
→ 海外資産についても税務調査は行われており、被相続人の海外資産に漏れないがないか確認する必要があります。

事例2

相続人が名義預金であることを知りながら申告をしなかった。
現金や名義預金は申告しなくても調査で指摘されることはないと考え、申告をしなかった。
→ 現金等の流れも重点的に調査が行われています。

過少申告加算税と無申告加算税の計算方法

1.過少申告加算税 

期限内に提出された申告による税金が少ない場合に課されるもの

修正申告により新たに納付することとなった税額×10%(調査後)
(50万円を超える場合には超える部分の税額は×15%で計算)

(例)税額が60万円場合
50万円×10%=5万円
10万円×15%=1.5万円   合計 6.5万円

2.無申告加算税

期限内に申告書の提出がなかった場合

修正申告により新たに納付することとなった税額×15%(調査後)
50万円を超える場合には超える部分の税額は×20%で計算

※ 上記のほかに延滞税もかかる場合があります。

最後に

調査事例から申告漏れになっているもののほとんどが自己の判断によるものと感じます。申告漏れがないよう専門家に相談をすることが重要です。