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60歳以上の給与の適正金額はいくら?

記事作成日2016/06/14 最終更新日2016/06/14

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◆定年後再雇用者の給与金額をどのように決めていますか?

平成28年10月より施行のパートタイマーに対する社会保険適用範囲の拡大や、大きな問題になっている採用難など、昨今の労働事情を考慮し、今後益々注目される高齢者の活用について改めて検討してみましょう。
従業員を定年後再雇用する場合、労働時間、給与等の労働条件を見直し、給与を減額(30-40%減額 ※平成20年厚生労働省高年齢者雇用実態調査)するケースが多くあります。その場合の補填として、老齢厚生年金や雇用保険から支給される高年齢雇用継続基本給付金を加味して給与設計する企業がほとんどです。
ただし、折角多くの給与を支払っても、再雇用後、社会保険に加入しながら同時に老齢厚生年金を受給する場合、給与額によっては年金が減額される場合があります。

上記のグラフは、給与を15万円から30万円とした場合の給与、年金、給付金の手取額の推移を表示しています。給与が上がれば年金額が逓減、雇用継続給付金は一定の額までは増えますが、一定以上は減額に転じます。

◆最適な給与額のシミュレーション

例えば64歳男性(扶養1人)が、年金10万円、60歳到達時の給与が40万円の場合、最適な給与額はいくらでしょうか?給与月額が(1)20万円、(2)25万円、(3)30万円の3パターンで試算してみましょう。

上記の(2)と(3)を比べると、給与月額5万円の差に対し、手取額はほぼ変わらないことがわかります。保険給付をうまく活用することで、従業員の手取額を減らさず給与額を減額することが可能なのです。

◆最適な給与額を知りましょう

再雇用者の給与設計は、当該者のモチベーションにも大きく影響するため、自社にマッチした制度の構築が必要ですが、保険制度の仕組みは複雑なことから、年金等の保険給付をうまく活用した制度作りは大変困難です。人事制度等お困りの場合は、弊社にご相談ください。