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育児・介護休業法が改正されます!企業の実務対応は?

記事作成日2016/08/05 最終更新日2016/08/05

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◆平成29年1月1日改正育児・介護休業法が施行されます

 平成29年1月より、育児・介護休業法が改正されます。改正は、介護をしながら働く人が、介護休業等を取得しやすくすることを主な目的として行われるものです。改正内容は下表の通りです。

  改正項目 改正内容
介護

1.介護休業の分割取得 通算93日まで原則1回3回を上限として分割取得可能
2. 介護休暇の取得単位の柔軟化 1日単位での取得⇒半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能
3. 介護のための所定労働時間の短縮措置等 介護のための所定労働時間の短縮措置等が、介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能(現行は介護休業と通算して93日まで)
4. 介護のための所定外労働の制限(残業の免除) 介護のための所定外労働の制限(残業の免除)について対象家族1人につき、介護終了まで利用できる所定外労働の制限を新設
育児

5. 子の看護休暇の取得単位の柔軟化 1日単位での取得⇒半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能
6. 育児休業等の対象となる子の範囲 法律上の親子関係がある実子・養子に加え、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子等も新たに対象

◆介護休業給付金が引き上げられます

 育児・介護休業法の改正と併せて、介護休業給付金の給付率も改正されます。(現行40%→平成28年8月以降開始の介護休業から67%)安倍首相が掲げた「1億総活躍社会」の実現に向けた「介護離職ゼロ」対策の一つとして介護休業中の所得保障を手厚くすることを目的としています。

◆改正による企業への影響

 育児・介護休業法の改正に加え、男女雇用機会均等法も改正され、マタニティハラスメントおよびパタニティハラスメントの防止措置が企業に義務付けられます。育児・介護休業法により、事業主による妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取扱が禁止されていますが、今回の改正では、上司・同僚からの妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とする嫌がらせ等(マタハラ・パタハラ)を防止する措置を講じることが新たに義務付けられます。具体的な防止措置については、厚生労働省が下記の指針案を発表しています。

厚生労働省のマタハラ等防止指針案(第171回労働政策審議会雇用均等分科会)

1. 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

3. 職場における妊娠、出産等に関するハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応

4. 妊娠、出産等に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置

5. 1から4までの措置と併せて講ずべき措置

 企業は今まで以上にハラスメント防止のための社内体制の整備や社員教育の徹底が必要となります。また、「育児・介護休業規程」や関連規程などを法令に準拠する内容に見直すとともに、休業復帰後の配置転換をはじめとする人事上の取扱や、育児・介護休業中の賃金に関する取扱など、労務リスクを回避する内容に見直すことも必要です。